プロローグ ページ1
魔力製造機。彼はそう呼ばれていた。
いや、他にも実験体2号とか、試作成功体1号とかもあったけど。作られて2年くらいから魔力製造機としか呼ばれなくなった。
見た目は12歳くらいかな?紺色の髪に真っ赤な瞳をした無表情の子だった。
まぁ、無表情は単純に表情を作る機能が与えられてなかったのもあるんだけど。
でも感情を持った
彼が生まれた経緯はこうさ。
彼はとある魔術師が、生きていた人間の一部を使って作っられたものだった。
その魔術師は各国に密かに作った工房を転々として、魔術協会から逃げて人造人間を量産していったのさ。
何で魔術協会から逃げていたか?それは追々わかるさ。まったくせっかちさんだなぁ〜!
あ、ちょ!出て行かないで!そんな顔しないで聞いておくれよぉ!
おほん!それでね、その魔術師はキリスト信者でね。まぁその思想は他のキリスト信者から見たらかなり螺曲がっていて、このままだと魔術師の存在が公の場に…!
あり得なくはなかったね。
そんな魔術師はある噂を聞きつけ聖杯を欲した。願いは単純、「キリストに会いたい」といったものだった。
はっきり言って聖杯にはそんな願い叶えられないし、非常識かつ無礼にも程があるけどね。
そして、魔術師は自身の微々たる魔力を補う為に魔力
その一体こそが今回の物語の主人公さ!
彼は特別何かを欲することはなかった。
自分の死期が近いのも察せる頭のいい子だったからね。
だから救いは求めなかった。でも1つだけ願いを持ってしまった。「太陽を見てみたい」そんな素朴な願いさ。
叶わないとわかっていながら、これが自分の意思だと自覚したその時、生きたいとほんの少しだけ思ってしまったのさ。
それが奇跡を喚んだのだろうね。
まさしくそこに"太陽"は現れたのさ。
さぁ、ここからが物語の始まりさ。なに、そう時間は取らない。
マスターに文句言われるのもイヤだしね。
あ、そうそう。噂の内容だけどね「我々は大聖杯の受肉に成功した。勇気ある魔術師はこの奇跡に参加せよ」と言う内容でね。
胡散臭いだろ?でも魔術師は餓えた肉食獣みたいに食いついたけどね。
噂が釣りとは言わないよ。聖杯は確かにあったからね。ただ集められた呪いに難ありだったかな?面倒なのが紛れ込んだのさ。
おや?そろそろ時間だね。仕事があるんでしょ?また君が暇な時…があったなら話そうじゃないか。
それじゃあまた夢の中で
12人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
雷雅 - 更新頑張ってください! (2019年3月10日 7時) (レス) id: e8ca574508 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:KILL | 作成日時:2017年2月3日 0時