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「蘭くんはそういうつもりでくれたんじゃないと思うよ。」

「……俺は、Aの事、独占したいって思って贈ったけど。」

竜胆が、私のことを独占したいって思った?それって、何、どういう事?

好きとは、また別の感情?分からない、突然のこと過ぎて。

確かに、長年一緒にいたら私に彼氏が出来たりするのは友達として何となく面白くないのも分かる。

そういう意味で、独占したいって事なのだろうか。

それとも……、私が淡く期待してしまっているような事だと解釈をしてもいいのだろうか。

「今すぐ、どうにかなれるなら、どうにかしたい。」

「え、ねえ、竜胆……?」

いつものふざけた調子が無くて、私の調子も狂ってしまいそうになる。近づいてくる顔を拒めない。

このまま、キスされてしまうならされてしまってもいい。このまま、抱かれてしまうなら、抱かれてしまってもいい。

私の事を1人の女性として見てくれるなら、もう、体だけの関係になったっていい。……後から、きっと後悔する事になるのだろうけど。

「そのまま、流されてんじゃねえよ。」

軽くデコピンをくらわされると額に微かな痛みを伴う。目を見開くと、意地悪そうに笑っている竜胆の顔。

「か、からかったの!?」

「……Aに教えてやったの。悪い男に騙されないように。」

「頼んでないし!」

……別に、竜胆なら良かったのに。むしろ、竜胆だから拒まなかったのに。

「相手が俺だったからいいけど、普通の男だったらキスだけで止めてくれねえぞ?」

「……分かってるよ、そんなの。」

竜胆以外には、こんな風にしない。簡単に隙を見せてやらない。でも、竜胆だからだよなんて、言えるはずもなくて。

また歳上ぶって私のことを面白おかしくからかう竜胆に、小さな抵抗しか見せることが出来なかった。

こういう姿を見て、私のことを子どもっぽいだなんて思うのだろう。

「悪い男に引っかかる前に、俺にすればいいじゃん。」

そうやって、冗談を言って私の心を惑わせている事なんて微塵も知らない罪深い男。憎いけど、やっぱり好きで、嫌いになれない。

「そうすれば、俺がAの事大事にしてやるから。」

……そんな、甘い蜜のような言葉を与えないで。期待してしまいたくなる。

ずっと、叶わないと思っていた想いが叶うのではないかと、錯覚してしまいそうになる。

それを、踏みにじるように幻想に変えないで欲しくて。

「竜胆がいい。」

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設定タグ:東京リベンジャーズ , 灰谷竜胆 , 梵天   
作品ジャンル:アニメ
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うさ - めちゃくちゃ好きすぎます… (3月31日 19時) (レス) @page50 id: 4170d6f2b7 (このIDを非表示/違反報告)
むーこ - めちゃめちゃいいお話しでした!(蘭ちゃん流石。。。男前すぎん?惚れるわ) (1月1日 11時) (レス) @page50 id: 612ac16389 (このIDを非表示/違反報告)
可月(プロフ) - 竜胆最高 (12月27日 7時) (レス) @page50 id: fed16d8c1b (このIDを非表示/違反報告)
さきな(プロフ) - サバさん» ありがとうございます🥹💖 (2022年4月4日 7時) (レス) id: 1d6ef99bbb (このIDを非表示/違反報告)
サバ(プロフ) - さきなさん» これからも応援してます🥰 (2022年4月4日 3時) (レス) id: b9a6851691 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:さきな。 | 作成日時:2022年3月21日 1時

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