【QK】砂糖漬けの超難問！

猫が絶対かわいいよ。ko-chan ページ15

今日は俺の彼女であるAとのデートである。
大学時代、入学式で俺が道に迷って、助けを求めた相手が彼女だった。
彼女も道を知らなくて、半べそをかいていたことを覚えてる。

そんなこんなで引き寄せられるように俺たちは恋人になって、もう3年経つのだが、少しマンネリ気味。

フードコートのテーブル席に腰かけて、
「何食べたい？」
と訊くと、「なんでも」
なんて返してくる。もとからさばさばしているタイプなので、反対の性格の俺とも相性が良かったわけだが、俺そんな嫌われてる？



デートの帰り際、モール内のペットショップにくぎ付けだった彼女。
「犬...？可愛いよね〜！俺絶対犬派だわ」

「いや、ぜっったい猫のほうが可愛いよ！」
おっ、食いついてきた。

「だって猫ちゃんって、気まぐれで、ツンデレで、たまに甘えてくるのがいいんだよ〜！」

「Aって、ほんと動物のことになったら熱くなるな」

俺が笑って、彼女の頭にぽん、と手をやると、それを弾かれる。
ん〜..そんなにあからさまに退けられると、俺だって悲しいよ..

「こうへい、人いっぱいいるから、そーゆうのは、家で..」

「っ...お前まじでかわいい！」

「うるさい」

彼女を動物に例えるなら、と問われると確実に猫と答えるだろう。
マンネリ化してるなんて俺の勘違いに過ぎなくて、頬を赤く染めている彼女が本当に愛しい。

ずっとこのままでいたい、そばにいたい、という気持ちが強くなって、俺は結婚を意識し始めていた。


「ほらこうへい、やっぱりこのアンケートの大半の人が猫派だよっ」
得意げに鼻を鳴らA。どうやら課題のアンケートの傍ら、犬か猫かどっち派か、というアンケートまで取っていた。

「なんでだよ、絶対犬だろ、散歩したり、感情豊かだし、一緒にいて楽しいって！」

俺も謎に張り合う。むすっとした彼女は、負けじと反論してきた。

「ね、猫だって感情豊かだし、散歩はしないけど...い、犬は吠えるし！」

「たしかに...って俺は断じて犬派ですから！」

喧嘩気味になって気まずい空気になるが、その空間さえ好きな俺はずっと前からAが好きだ。
大喧嘩した時だって、俺の袖を引っ張って、「ごめん..」なんていうもんだから、たまったもんじゃない。

プロポーズを決めたのは、その時だったかも。

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