4話 ページ5
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そう思いながらも、
合宿所に戻ろうと駐車場に行ってみたら…
A「っ！」
廉さんが魂が抜けたような感じで
自分の車に寄りかかっていた…
A「廉… さん…？」
私が名前を呼ぶと…
廉さんはゆっくり私の方を向いて…
コンッ… コンッ…
ゆっくり私に近づいてきて…
ギュッ…
A「ぇ…」
私を強く抱きしめた…
いや…
これは…
廉「…」
抱き着いてる…
A「…廉ちゃん？ どうかした？」
廉「…A」
A「ん？」
廉「俺… どうしたらいいんだよ…」
え…？ 声がかすれてる…？
A「廉ちゃん… 泣いてるの…？」
廉「…」
A「…美子さんは？ 迎えに行ったんじゃないの？」
私がそう言ったら、
腕の力がより強くなった…
A「…取り合えず、見つかったらいけないし、どこかに移動しよう？」
廉「…分かった」
廉さんを何とかなだめて、
廉さんの車に乗って、人気のない場所に移動した…
A「美子さんが？！」
廉「…『もう俺の側で笑えない』ってさ」
A「そんなっ…」
廉「やっと… 手に入れられると思ったのに…」
廉ちゃんが… 泣いてる…
A「…美子さんがどこに行ったかわかんないの」
廉「…電話しても繋がらないんだ」
A「そっか…」
廉「…」
A「取り合えず、廉ちゃんは仕事に専念して」
廉「けどっ」
A「廉ちゃん！」
廉「っ…」
A「前に美子さんに言ったこと忘れたの？！」
廉「言ったこと…」
『俺らはこのバンドに命かけてやってんだ、
本気でやる気のない奴は、A.N.JELLにはいらない』
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作者名：nanami | 作成日時：2018年8月24日 19時
