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三船「これでいいか？ 櫻井？」
A「えっ？ あ… はい、それで大丈夫です」
三船「で、次が人参…」
A「あっ、切る前にピーラーで皮剥いてください」
三船「あぁ… そうだよな」
少し格闘している三船先輩の横で
貝の仕込みをしたり料理の準備を続け…
三船「3等分の後はどうだったっけ？」
A「縦に4等分になるように切って、
さらにそれを縦に切って2等分にしてください」
三船「…おぅ」
A「料理、あんまりしないんですか？」
三船「そうだな… ほとんど買ってきてんなぁ…」
A「それ、大丈夫なんですか？
体調悪くしたり… 」
三船「そんな事、自分が一番わかってる、
だから一応気を付けてるよ」
A「それならいいんですけど…」
そんな会話をしながら料理を続けて…
お皿に盛りつけている時に…
ガチャッ！
ドアが勢いよく開いて…
玄関を見たら兄ちゃんがいて…
翔「Aっ…」
A「兄ちゃっ…」
ギュッ！
言い切る前に…
私は兄ちゃんに強く抱きしめられた…
翔「無事でよかった…」
A「ごめんなさいっ…」
兄ちゃんはゆっくり私から距離を置いたら…
三船先輩に視線を向けて…
翔「何があったか、教えてもらえるかな？」
A「兄ちゃん！ 三船先輩はっ」
三船「昨日、Aさんを家に泊めました」
…えっ？
翔「…どういうこと？」
三船「昨日の夜、Aさんが
襲われてるところに遭遇して助けました…
ひどく怯えていたので…
このまま帰すわけにもいかないと思い…
家に泊めました… 連絡先が分からなかったので…
連絡が出来なくて… 申し訳ありません…」
翔「…A、今彼が言った事は本当？」
A「それはっ…」
いきなりの事で戸惑いながら三船先輩を見たら…
三船先輩の目が『合わせろ』って言ってる気がした…
A「うん…」
翔「そっか… 三船君だっけ？」
三船「はい」
翔「妹を助けてくれてありがとうね」
三船「いえ、僕は…」
翔「Aに携帯持たせる余裕があったらいいんだけど…
親からの金も残ってなくて、キツキツなんだよね〜
あ、ごはん食べてくよね！ A！ 早くご飯にしよう！」
A「うん」
三船「俺も手伝います！」
翔「いいんだよ、
あと並べるだけだから座って待っといて」
三船「…はい」
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作者名：nanami | 作成日時：2017年6月5日 0時
