ツナガルキモチ・・5th【Sho ＆ Kazu】【さくらみや】 (ページ9)

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私が代わりに･･･the past ページ9

翔ちゃんが泣いていた･･･

その悔しくて切ない涙の訳を知って
私は覚悟を決めた。

｢結婚するって｣

｢必要ないらしい｣

｢最初から好きじゃなかった｣

お姉ちゃん、ひどいよ･･･
どうして翔ちゃんにそんなことが言えるの？

あんなに大事にされてあんなに愛されて
お姉ちゃんは幸せじゃなかったの？

私は、私の幸せは･･･

私が大好きなお姉ちゃんと
お姉ちゃんが大好きな翔ちゃん。

3人でいられることが
ほんの些細な幸せだった。

お姉ちゃんが病気になったのは私のせいだから･･･

どんなことがあっても
私がお姉ちゃんを守るって決めた。

翔ちゃんだってお姉ちゃんを助けたいって。
その気持ちがお姉ちゃんには届かなかった。

悲しいよ、悔しいよ･･･
お姉ちゃんが憎いってはじめて思った。

もういいよね？もうガマンしない。
お姉ちゃんがいけないんだからね？

｢私はお姉ちゃんを絶対に許さない。

これからは私が翔ちゃんのそばにいる。

･･･私、翔ちゃんに抱かれたの。

だからもう二度と私と翔ちゃんの前に
現れないで下さい｣

そう、伝えたの。

目を閉じて静かに微笑みながら
お姉ちゃんが言った。

｢･･･そうね、私なんかいないほうがいい。

これからは翔に幸せにしてもらいなさい。

いままでごめんね。こんなお姉ちゃんでごめんね｣

まさかそんな言葉が
返ってくるとは思わなかった。

だけどもう、、

自分の気持ちを抑えることはできない。
翔ちゃんは私のもの。誰にも渡さない。

私が、私がお姉ちゃんの代わりに
翔ちゃんのそばにいて翔ちゃんを支えていくんだ。

まわりは何も見えない。

この時の私には翔ちゃんしか見えなくなっていた。