俺にも関係がある･･･sideKazu ページ39
別にからかうつもりなんか
なかったんだけどな。
翔さんの顔を見たら･･･
Aちゃんの泣き顔が重なったんだ。
あんなに辛そうに泣くAちゃんを
何度となく見てきて
何にもできない自分が情けなくなった。
翔さんだって辛いのはわかってるけど
いつまでも何やってんだよって、、
つい挑発してしちゃったんだよね。
和也｢だから油断するなって事ですよ｣
あからさまに怪訝な顔をする翔さん。
それでも冷静さを欠かさない翔さん。
翔｢ニノの言いたい事はわかった｣
和也｢翔さんが聞きたい事の答えなってる？｣
翔｢･･･ああ｣
和也｢それはよかった｣
翔｢ニノ、もうここには来ないでくれないか？｣
和也｢どうして？｣
翔｢俺たちの問題は俺たちで何とかする｣
和也｢それは無理｣
翔｢おい、いい加減に･･･｣
和也｢言ったでしょ？俺にも関係があるって｣
翔｢だから俺とAの･･･っ｣
和也｢Aちゃんが助けてって･･･｣
翔｢え･･･｣
和也｢俺にSOS出してきたの｣
翔｢SOSって何だよ｣
和也｢全部聞いた。いままでの事も、
Aちゃんが思い出した事も全部･･･｣
翔｢Aが思い出した･･･って、何を？｣
和也｢･･･それもAちゃんから聞いてよ｣
翔｢はぁ･･･いつもそうだ｣
翔さんが溜め息をつきながら項垂れた。
翔｢Aはいつも俺に遠慮して俺の顔色伺って、
言いたい事もガマンして･･･
だけどニノには何でも話すしワガママも言う｣
和也｢そんな事ないですよ｣
翔｢こんなに近くにいるのに遠くに感じるんだ｣
寝ているAちゃんへ歩み寄り頬をそっと撫でた。
翔｢え･･･A？｣
A｢んっ･･･んん｣
翔｢どうした？苦しいのか？｣
A｢ち、が･･･｣
起き上がるAちゃんの頬は涙で濡れていた。
A｢私も･･･だょ｣
翔｢え･･･？｣
A｢翔ちゃんが近くにいても遠くに感じてた。
どんなに想っても気持ちは繋がらない。
どんなに頑張ってもお姉ちゃんには適わない｣
翔｢お前･･･そんな事を考えていたのか？｣
A｢翔ちゃんを想えば想うほど
私は欲張りになって嫌な女になって･･･
私だけのものにしたかった｣
翔｢A、もういい｣
A｢お姉ちゃんなんかいなくなればいいって｣
翔｢もういいからやめろ｣
A｢だからあの時ハンドルを･･･あの事故は私が｣
翔｢それ以上言うな！｣
A｢私のせいでお姉ちゃんは死んだの･･･｣
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作者名：きらら | 作成日時：2016年12月27日 21時
