俺の元気の素…side Kazu ページ29
ここんとこ、
部屋にこもってるなぁ
身体、だいじょうぶかよ…
Aちゃんは、新曲を作りのために
しばらくここに泊まり込んでいた。
毎日、仕事先とここの往復で
ここに来るとピアノがある部屋に
入ったきり出てこなくて、
話しかけることさえできない状態だ。
俺は連ドラが終わり、次のツアーまで
少し落ち着いた毎日を送っていて、
時間をみつけてはここに顔を出していた。
「少し寝るね…」
ピアノ部屋から出てきて、
ソファーに横になったAちゃんは
すぐに寝息を立てたから、
ブランケットを掛けてあげる。
その寝顔は疲れ切っていて
目の下にはクマができていた。
俺もアルバムのソロ曲を作るときは
かなりこもることがあるけれど、
ここまでじゃないし…
Aちゃんの曲に対する
真剣さが伝わってくる。
ちょっとでも相談してくれたらいいのに…
Aちゃんのとなりにそっと腰掛けて、
寝息で上下する頭をクシャっと撫でた。
「…ずちゃ…ん」
一瞬寝言かと思った。
次にしっかりした声でもう一度よばれた。
A「かず、ちゃん…？」
和也「はいはい、なんですか？」
A「お腹すいた…
朝から何も食べてないから、力がでない…」
和也「なにか食べる？」
A「ん… かずちゃん作って？」
和也「ふふ、りょーかい^ ^」
可愛いんだよな…
そんなふうに甘えてくるところ。
この世界にいてよく混ざらないって思うよ。
いつだって真っ直ぐで無邪気で…
なによりAちゃんの笑顔と歌声には
人を引き込む魅力がある。
だから人気もあるんだろう。
俺にとって妹みたいな存在は前から変わらない。
ほっとけないってゆうか、
なにかと手を出してやりたくなる。
あの雨の日に偶然出会って、
ピアノがきっかけで
この部屋に出入りするようになった。
なぜだかギターを教えるハメになり、
いつのまにか、ここで暮らしてる。
どんなに忙しくて疲れていても
ここに帰れば会える…って。
Aちゃんは、俺の元気の素だな笑
こんな毎日も悪くないって思う俺がいる。
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藍。(プロフ) - はじめまして!とても楽しく読ませていただきました!!この話とても面白かったです!!更新頑張って下さい(*^^*) (2014年11月5日 15時) (
レス) id: 1cfc0c02c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きらら | 作成日時：2014年8月19日 10時
