MIRACLE twins 2

♪ ページ28

大介 side


隣の兄ちゃんの部屋から声がするなあと思って目が覚めた。部屋のドアが開いた音、涼太、って優しく呼ぶ声がしたから、涼太がぐずっちゃったかな？


「にしても、戻ってこないなあ…？」


30分以上経っても戻ってこないから心配になって、リビングに降りてみたんだ。


辰「どしたの涼太、ねんね怖くないよ？」

涼「やぁ、やなのぉ！めっていわれるの、」

「兄ちゃん？涼太？どしたぁ？」


ぐずぐずの涼太と格闘してた兄ちゃんは、心底ほっとしたような顔で俺を見たんだ。


辰「ぐずっちゃったんだけど、寝るの怖いって言うんだよね。でも眠いみたいだし、悪い子だとかなんとか言っててパニック気味なんだよちょっと」

「ん〜、夢見たかな？涼太〜？大ちゃんが聞くから教えてね？やな夢見ちゃったの？」


涼太の手を握って、大介だよって分かるように正面に座って聞けば、うんって頷いてくれたから、最初の難関は突破。あとは、その中身だよね。


「そっか、今日だけ？前から？」

涼「まえから、」

「だからねんね怖かったんだね。よく頑張ったね？やなことされる夢？」

涼「あのね、りょうたね、おこられるの、でも、ないちゃめって、ないたらわるいこって」


どうやら、何かで怒られるけれど、泣くとまた怒られて、泣くのは悪い子って言われてしまうらしい。だから、眠いけど寝たくないし、怖いけど泣けないんだね。


涼「だからりょうたねんねしないの、なかないの！」

辰「偉かったねえ涼太。でもね、涼太にはたっちゃんもだいちゃんもついてるよ？怖いよ〜って思ったら助けてあげるよ」


涼太を抱えてゆらゆら、揺りかごみたいに揺れる兄ちゃん。涼太もうとうとしてきたみたいだけど…このまま寝てくれるかな…

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