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それからテミンは私と同じ学校に通いだした。
家に挨拶に来た時は金髪だった髪も、黒色に染め直した。
私達は同じクラスではなかったけど
テミンのクラスはすぐにわかった。
転校生が来たら一番の話題になるのは当たり前のことだから。
尚更、あんなイケメン。
今じゃもうこの学校1番のアイドルになってる。
「見て！転校生！｣
「あ、あれ？すごいイケメンじゃん！」
「それも帰国子女だから英語ペラペラなんだって！」
「え、やば！」
すぐに出来た男友達と歩いてるテミンを見て、騒ぐ女の子達。
そんな女の子達を横目に見ていると
テミナと一瞬目が合った。
するとテミンは何を言うわけでもなく、
ニコッと私の方を見て口角をあげて微笑んだ。
「今こっち見てなかった？！」
「…気のせいだよ。」
事実、確証なんてないし。
友達も「そうだよね｣と当然の反応。
どうもテミンの幼馴染って宣言するのがおこがましいように思えて秘密にしているから、私達が幼馴染だなんて誰も思ってない。
でもバレるのは時間の問題で。
「Aちゃん呼ばれてるよ？！」
クラスメイトに言われて振り向くと教室の扉の側で私に手を振るテミン。
私が急いで駆け寄るとより一層高まる周囲の声。
「ごめんね？教材がまだ全部揃ってなくて貸して欲しいんだ。頼める人Aちゃんしかいなくて…」
テミンは私が騒がれるのが嫌いなのを察したのか、すごく申し訳なさそうに頼む。
確かに騒がれるのは嫌いだけど、
「気にしないで！ちょっと待っててね。」
今も私はテミナにすごく弱いみたいで
結局なんでも許してしまう。
それにこればかりはしょうがないし。
「はいこれ。
今日使わないから急いで返しに来なくてもいいからね？」
「うん。わかった！」
「じゃあね。」
「ねぇAちゃん、」
「なに？」
「…やっぱり何でもない！」
テミナはブンブンと手を振って自分の教室に帰っていった。
テミナは何を言おうと思ったのか…見当もつかない。
けど確かにわかったものがある。
それは私がテミンに対して、
昔とは違う感情を持ってるってこと。
久しぶりに名前を呼ばれて
微かに触れた指先から感じた熱。
…それがわかるくらいには成長したから。
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作者名：S
| 作成日時：2017年10月29日 17時
