ねぇ、振り向いてよ。【名前変換オリジナル】

現場 ページ10

希帆side




「よっと。」





山積みになった資料を抱えて、職員室へ向かう。






先生、学級委員だからって頼み過ぎです。









てか、寿どこ行った？









重いよ。




寿持ってよ。





　


とぼとぼゆっくりと一歩を踏み出す。





「あ！」







何も使われてな空き部屋に、寿の姿を見つけた。





でも、寿だけでなく、他の女の子もいた。






これってもしかして、、、あれだよね。






反射的に、物影に隠れた。







「瑛斗先輩、一目惚れです。付き合って下さい。」







やっぱり。







希帆は、息を潜めるので精一杯だった。









「ごめん。付き合えない。」







「そう………ですか…」





すごい勢いで、部屋を出てった女の子。








ふぅ…気づかれなくてよかった。






「桜庭、出てこい。」




「え…」




「そこにいるのは分かってる。」







寿の鋭い声に、もう出てくしかなかった。





「や、やぁ！希帆は今通りかかっただけだから。」





「見てた？」




「見てないよー。」




「桜庭の姿、見えてたよ。」



「まじか。」





もう、何も誤魔化せない。





「寿ってモテるんだね。」





「まぁ、それなりにバレンタインとかは貰ってる。」






確かに、結構かっこいいもん。







正直、伊織くん以外の男子、こんなに眺めたことなかった。





「すごいね。寿は。」




「………でも、肝心の好きな子には、まったく振り向いてもらえてない。」





好きな人………






寿にもいるんだ…




誰か気になったけど、悲しそうな顔してうつ向くから、聞けなかった。





代わりに、




「その子、付き合ってる人とかいる？」




「いない。」



「なら言った方がいい。絶対後悔するから。」





アドバイスした。



自分の経験から。



「桜庭は、言えなかったの？」





「うん。言っちゃ駄目だった。でも、吹っ切ることも出来ない。」



そのまま目線を降ろしていくと、大量の資料が目に映る。

「あ、寿、これ職員室へ運ぶの手伝って！」

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