白紙の手紙 (ページ12)

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十二ページ12

「……藤崎？なにしてんの？」

俺は恐る恐る話かけた。

藤崎は俺の声に反応して、こちらを振り向き、

「あ、バレた。今日早いね。」

と、特に焦りもせず俺に話しかけた。

「違う、お前、なにしてんの。」

俺はもう、緊張で肺が凍るような感覚がした。

「……何って、ラヴレター、入れてるんだよ。」

「白紙のか……？お前、やっぱり白紙のラヴレター。入れてたんだな？」

手汗が止まらない。何かを掴んでいたい。

「うん、俺だね。」

「どうして……！」

額から汗が出る。冷や汗だ。

「……ラヴレターだぜ、決まってんじゃん、」

そういうと、藤崎は少し唇を舐めたり、下を向いたり、まるで恋する乙女のような仕草をした。

それは確かに藤崎だったが、同時に藤崎では無い何かだった。

「……好き、なんだよ。」

俺はもう、現実を目の前にして倒れそうだった。

「好き、じゃない。愛してる。」