検索窓
今日:15 hit、昨日:2 hit、合計:46,744 hit

言い逃げ*吹雪アツヤ ページ28

「寒い寒い寒い〜。」


ベンチに腰掛け、サッカー部の練習を見ながら一人呟く。
昨日はグラウンドも凍りかけるほど雪が降った。
今日も雪こそ降っていないものの気温は低くて、あまり動かないマネージャーにはかなり厳しい。

私もみんなと一緒に身体動かそうか、なんてことも考えていたら、休憩時間になった。


「お前めちゃめちゃ寒がってんじゃん。」
からかってきたのはアツヤだった。
悪いけど、それに反応するほどの余裕もない。


「Aちゃん。風邪引くと大変だから、これでも着とく?」
そう言いながら自分のダウンジャケットを肩にかけてくれたのは、雪原のプリンスこと士郎先輩。
もこもこで、超暖かいやつ。

「ありがとうございます!」
遠慮なく拝借することにする。


グラウンドに戻っていく背中を眺めながら、士郎先輩のファンが多いのも当然だ、と勝手に納得する。


「お前ってさ、」
なぜか一人私の隣に留まったままのアツヤが口を開く。

「なに?」

「兄貴のこと、好きなのかよ?」
アツヤは私を見ないままそう言った。

「え?ないない。
だって、士郎先輩だよ?崇高すぎてもはやそういう対象ですらないというか...。」

やや意味不明だと自分でも思うけど、実際、士郎先輩のことをそういう目で見たことはない。


「よかった。」
「なにがよ。」


「だって、兄貴が相手(ライバル)だったら、ぜってえ勝てる気しねえし。」

またふざけてるのかと思って顔をちらっと見たら、頰がほんのり赤く染まっていて。


「え、それって。」

私の言葉に答えることなく、走ってグラウンドに行ってしまった。

…言い逃げなんて、ずるいよ。

君といるときだけは*涼野風介→←寝顔*剣城京介



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (90 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
90人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

吉良 彩愛(アヤメ) - シチュエーションは買い物デートでお願いします! (2019年11月19日 1時) (レス) id: 1fa478ff79 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - 吉良 彩愛(アヤメ)さん» 返信が遅れてすみません。リクエストありがとうございます!詳細なシチュエーションなどの指定があれば助かります! (2019年11月17日 16時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)
吉良 彩愛(アヤメ) - リクエストいいでしょうか?リクエストで、リ・ハオ君でお願いします! (2019年11月13日 22時) (レス) id: 1fa478ff79 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - ふうふうさん» リクエストありがとうございます。時間がかかってしまいますが、必ず書きます。 (2019年10月21日 21時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)
ぴーすけ(プロフ) - 美紅さん» すみません。諸事情により原作を見返すことができない状況になってしまったので、リク頂いた話は書けそうにないです。申し訳ないです。 (2019年10月21日 15時) (レス) id: d12c541ec5 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:ぴーすけ | 作成日時:2019年9月22日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。