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つむぎが寝入ったことを確認したシャンクスが部屋を出ようとした時だった。

船が揺れた。

甲板の方ではクルー達が騒いでいる。

クルーの1人が敵船を確認したと叫んでいる。





「………やれやれ、どこのバカが攻めてきたのか。」






つむぎの頭をひとなでし、内心穏やかではないシャンクスは静かに部屋を出た。

甲板に出た時、ベックマン達は既に戦闘中だった。

見ると敵船はレッド・フォース号を囲んでいた。





「野郎ども!1人残らず殲滅だァ!」




シャンクスの一声で全クルー達が雄叫びを上げ敵を薙ぎ払う。

その中でベックマンやホンゴウはシャンクスが少し苛立っているのを感じていた。

シャンクス自身も、自分の中の苛立ちを理解していた。













シャンクスが部屋をでて甲板では戦闘が続いている中、つむぎは何かの声で目を覚ました。

それはクルー達の戦闘の音ではなく、何か違う声。

何かに苦しみ、悲しみ叫んでいる声。

そういう声はつむぎには敏感に聞こえるのだ。




「……っ…………何っ…」




頭の中に響いてくる叫び。

今まで感じたことの無い悲しい叫び。

何かが、助けを求めている。





「っ………」





痛い頭を抑えベッドから崩れるように落ちた。

壁を伝って部屋のドアを開けると、騒がしい外の音がよりいっそう強くなる。

声のする方へ一歩一歩進んでいくと、船の裏手に出たが船をぐるっと取り囲む敵船に恐怖で足がすくむ。

それを無理やり動かして船から身を乗り出した。

声が聞こえる方を見てもあるのは水面。

キョロキョロと目を泳がせ見つけたのは、1隻の船から海の中に伸びる数本の縄だった。

波に押されてギギっと音が鳴っている。

間違いなくあの縄の先に何かがいる。








「おい嬢ちゃん!何してる中に戻れ!ここは危ねぇんだ!」





聞こえたのは今日よく話をしてくれたヤソップさんだった。

腕を引かれよろめき倒れそうになるのを堪えた。




「あっ…ヤソップさん!あの!なの縄全部!切ってください!」



そう言うとヤソップはつむぎの指さす方に目を向けた。





「……任せなっ!」





何も聞かずにお願いを聞いてくれたヤソップにつむぎは驚いていた。

その間にヤソップはいとも簡単に数本の縄を撃ち抜いて切断した。

その瞬間、海面が大きく揺れ何かが海面に姿を表した。





「なっ!海王類だと?!」

「っーー!」






つむぎが聞いた声はとても大きな生物だったのだ。

…→←…



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作者名:こゆん | 作成日時:2022年9月2日 19時

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