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さてさて、何とか負い払えましたかね。
『皆さんお怪我等ございまっ──』
今日はよく発言を遮られますね？そういう日なのでしょうか？足音が聞こえなくなってから振り向くと
「先輩っ！ジャケット！ジャケット脱いで！ちょっ、わんこ給湯室からタオル取ってきて！にゃんこは？大丈夫？先輩の真後ろだったけどお茶かかってない？」
「……お茶はかかってないけど」
「ねこ〜あった！」
「俺に寄こすな、先輩か小鳩に渡せ」
「ナイスわんこ！いくつ取ってきた？」
「あるだけ全部！」
「じゃ、にゃんこはビニール袋探してきて、濡れちゃったジャケット突っ込めるぐらいの大きさのやつ」
「了解した」
「わっ、先輩いつまでジャケット着てるの！さっさと脱いじゃってください！あ〜、ネクタイもアウトですね。外してください。ネクタイピンはシャツポケットに入れますよ。ジャケットは取り敢えずわんこがかっぱらってきたタオルの上に……というか髪！ただえさえケアも何もしてなくてボサボサなのが更に濡れて濡れネズミみたいになっちゃってるし…」
「小鳩、あったぞ」
なんか僕随分な言われようですね。別に構いませんがなんだか追い剥ぎにあった気分です。
「ありがと、にゃんこ」
「先輩、火傷とかは……」
『いえ、ありませんよ。冷めてましたから』
確認してみます？と尋ねると全力で首を振られた。解せぬ。
「っ……先程はすみませんでした。俺のせいで先輩に迷惑かけてしまって……」
『いえいえ、構いませんよ。仕事とは持ちつ持たれつが正しいあり方のはずですから。それに正確に言えば助けてくれたのは先方の社長さんですし』
「「「社長っ?!」」」」
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作者名：トラメルク | 作成日時：2023年5月28日 0時
