139.紫のストール ページ46
gr side
「Aちゃんの為に頑張るかぁ」
オスマンは指先にキスを落とし
「お前ら全員ぶっ殺すからな」
ひとらんは指を絡めてきゅっと握り
「待っててな、今Aを傷付けたやつ全員殺してくるから」
ゾムは頬を擦り寄せ
「…行ってきます」
「必ず帰ります。だから、笑顔で出迎えてくださいよ？」
ショッピとチーノは手を取り額に寄せ
それぞれAの地を舐め取り立ち向かい始めた。
「…必ず助けます」
エーミールは手を優しく両手で包み、血を舐めとると同時に地面を蹴り研究所から離れていった。
「なんだコイツら…急に強くなったぞ？！」
「所長！指示を…所長？！」
武器を持って俺達を殺すつもりだった研究員は強さが格段に上がった俺達を見て焦り指示を乞う。
だけどその所長とやらが逃げたのだろうか、応える声はなく研究員達は絶望に顔色を染めた。
「…猫又達は脱出ルートの確保を頼む。後は"俺達"の仕事だ」
オスマン、ゾム、ロボロ、ショッピ、大先生を今いる場所から遠ざけ、残ったトントン、コネシマ、シャオロン、ひとらん、チーノに振り返る。
「今宵は満月、そしてAの血の力もある。さぁお前達、本来の仕事を全うしようではないか」
高らかにそう告げれば皆鋭い牙を、ニタリと口角を上釣り上げて笑う。茶色や灰色、黒の毛並みの耳としっぽ、そして鋭い爪に研究員達は顔を真っ青にして俺達を見た。
「ば、…化け、物______」
「…全てを喰らえ。同胞達よ」
人狼である俺達は、残った人間を全て喰らうまで止まらない______
※※
「はぁ…ッ、クソッ！なんでこんな事に…！」
計画は完璧だったはず！なのに！何でこんなことに！
車で脱出した私は奴らにリベンジを心に決めて山道を走らせる。そうだ、私が生き残っていればまた実験を…
「…こんばんは」
「？！」
そう、落ち着いた声が耳に届き思わず思い切りブレーキを踏み込む。まさか、まだ仲間がいたのか？！
車のライトが照らす先に目をやる。
そこには紫のストールを首に巻いた青年が立っていた。
「…あの子に手を掛けたのはあんたか？」
「お前ら化け物に言う事なんてありません」
「そうか」
満月が作る青年の影が揺らぎ___大きな狼へと姿を変えた
途端に強烈な斬撃が私と車ごと襲い、血飛沫が車内を赤く染めた。
「…化け、も…の…め…」
「命をなんとも思わないお前の方がよっぽど化け物だよ」
咥えていたタバコの火を消し、彼はストールを靡かせて闇夜へと消えていった。
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黒瀬(プロフ) - 小雨さん» ありがとうございます！この後の展開をどうするかで悩んでかなり遅くなってます。申し訳ありません！ (2020年7月26日 16時) (
レス) id: 3009402549 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - まさかniさんが人外やったとは…これからの展開凄く楽しみです！体調を崩さない程度に更新頑張ってください！ (2020年7月26日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 調味料さん» 久しぶりのコメントありがとうございます！出したいなぁ、と思ってたので無事出せて良かったです^^ (2020年6月27日 9時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
調味料 - 久しぶりにコメント失礼しまぁす。^r.a^な人外さんが出ててめっちゃ嬉しかったです、ありがとうございます(土下座)これからも更新頑張ってください〜 (2020年6月25日 21時) (レス) id: 06d5180623 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - わたあめ@りんご桜さん» ありがとうございます！全員出演予定なのですが、人数が多いので中々難しいんですよね(--;)何とか上手いこと出して行けたら、と思います！ (2020年6月14日 10時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
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