06. ページ6
「うっま!プロか?!」
『ただのOLでしたが』
油揚げの入った味噌汁ときんぴらごぼう、焼き鮭と言ったシンプルなメニューなのにコネシマは美味しそうに食べてくれた。いちばん美味そうに食べてた鮭にマヨネーズなんて斬新だったけども。
『アンタ舌肥えてそうだからこんなので大丈夫か不安だったけど、大丈夫そうだね』
「ん?どこの店よりも美味いで?」
『あのさぁ…まぁいいや』
だから真顔で言うなって。むずむずするだろ。
「ようけ食ったわ。ごっそーさん」
『お粗末さまでした』
暖かいお茶を淹れればコネシマは湯呑みを受け取り美味そうに茶を啜る。食後のお茶って格別だよな。うん。
「ふぅ、こんな美味い飯が今度から毎日食えるとか最高やわ」
『お世辞どうも』
「お世話やないで?本心や」
楽しみやなぁ!なんてニコニコ笑うコネシマに『あっそ』と返してそっぽを向く。照れ隠しじゃない、何作ろうか悩んでるだけだ。…そういう事にしておいて欲しい。
「あれやな、Aの作ったオムライス食いたいな」
『オムライスねぇ…なら材料買ってくよ。そうすれば家政婦業就いてその日のうちに作れるよ』
「最高やん!せや、お祝いにワインとか用意しとくわ!」
『普通のでいいからね?変に高いのとか頼むなよ?!』
たかが就職祝いにブランド物とか頼まれたら溜まったもんじゃない。大したことでも無いのに。
「ならなんか適当に良さそうなの用意しとくわ」
『そうしてくれ』
「…ふぅ、茶も飲んだし帰るわ。色々スマンな」
ぱちん、と両手を合わせて席を立ち、ジャケットを羽織ったコネシマは今度こそカバンを手に玄関へと向かう。
…おっきい背中だな。学生の頃なんてこんな風に見えなかったのにな。
「んじゃ行くわ。飯ありがとうな」
『ん。またね』
フッと目を細めて笑ったコネシマが扉の向こうへと消えていった。何か一緒にご飯食べたの久しぶりで、変な感じだったな。
『…オムライスね。ポテトサラダとか仕込んで行こうかな』
何だかんだで楽しみにしてる自分がいて、小さく笑った。
※
"『…私じゃなくて嫁さん見つけた方が早くね?』"
「…あっぶねぇ〜」
あの言葉にうっかり「お前がええねんけど」と言いかけた。マジで危なかった。
「…道のりは険しそうやな」
ま、とりあえず少しずつ距離詰めてくか。
明後日が待ち遠しいわ。
.
537人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
暁 - ア"ッ...(絶命)好き!!!!!(蘇生) (9月6日 17時) (レス) @page30 id: 1fc9dc00b9 (このIDを非表示/違反報告)
零(プロフ) - ええっすねぇ…^^これからも頑張ってください!応援してます! (2023年4月17日 21時) (レス) @page27 id: 387a7b214e (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - 続きがめっちゃめっちゃ気になる展開ですね...!!楽しみにしてます(*´∇`*) (2023年4月15日 22時) (レス) id: 790884ee82 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 匿名様へ。コメントはちゃんと読ませて頂きました、ありがとうございます。 (2023年2月5日 0時) (レス) id: 3a76da62a7 (このIDを非表示/違反報告)
心葉 - いい展開ですね(๑•ω•๑)/"♡おうえんしてます(*˘︶˘*).。.:*♡ (2023年2月2日 23時) (レス) @page25 id: 57de660b93 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ