元社畜、家政婦になります【d!/kn】

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鬱島さんの音頭で皆がジョッキを掲げる。心地良い音の後にアルコールを一気に流し込めば、今日一日の疲れも消えてなくなっていく。

『ふぁー、美味ぁ』
ci｢Aさん美味そうに飲むなぁ｣
syp｢酒強いんすか？｣
『いや、普通です』

チーノさんとショッピさんはオフになった途端かなり気さくに話しかけてくるようになった。お酒に弱いのかチーノさんはふにゃふにゃ笑ってて、ショッピさんはお酒に強いのかいつも通りだった。

ci｢なぁなぁ、仲良うなりたいしタメ口でもええ？｣
syp｢いやコネシマさんの幼馴染に失礼やろチーノ｣
『大丈夫…だよ。うん』

ショッピ君も敬語堅苦しいでしょ？と言えば直ぐに｢あ、じゃあおなしゃーす｣と軽く返した。フットワーク軽いね君。

kn｢…｣
ut『お？愛しのAちゃんが取られてご機嫌斜めか？』

向かいの席でコネシマと鬱島さんが何やら話してる。だけどショッピ君とチーノ君に話しかけられてる私には内容が聞こえず、ジョッキを飲み干しては眉間に凄いシワを寄せていた。

kn｢別に…仲良うなるのはええ事やろ｣
ci｢な、Aさんの好きなタイプとかどんなん？｣
『んー…考えた事も無かったな』

あ、でも作った料理美味しそうに食べてくれる人は好きかな、と言えばチーノさんはお酒で赤い顔を輝かせて｢ハイ！ハイハイ俺Aさんの手料理食いたい！｣と騒ぎ始めた。

syp｢チーノ煩いで。すみませんコイツ酒弱くて｣
『大丈夫大丈夫』

お酒で陽気になる程度なら可愛いものだ。じゃあ今度誘うね、と言えば満面の笑みのチーノ君は、何を思ったのか勢いよく私に抱き着いてきた。

ci｢っやったぁー！｣
『わ、あっ？！』

倒れる、と思った時だった。

kn｢おいゴラァ…チーノォ…｣
『うおっ？！』

地を這う様な低い声が響き、後ろから大きな手に支えられる。

後ろを見れば、同じくお酒で顔を赤くし睨みつけるコネシマの姿があった。

kn｢Aが怪我したらお前どうすんねん。離れろや｣
ci｢えぇ〜｣
syp｢おいバカやめとけチーノ！｣

マズいと思ったのかショッピ君が慌ててチーノ君を引き剥がす。付き合いでマズいと分かるんだろうなぁ。

kn｢…おいA｣
『ん？』
kn｢お前、チーノみたいな奴が好みなんけ｣
『はぁ？』

ヒック、とひゃっくりをして目が据わってるコネシマと、盛大に笑いだした鬱島さんとショッピ君。

あ、コイツ酔っ払ってるな？酒弱っ！！

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