15.あったかいにおい ページ15
翌日、Aはご飯を全く食べずにずっと寝ていた。しかも丸一日。
tn「病院、連れてくで」
os「なら俺車だしてくるわ」
心配になり病院に連れてけば猫風邪という診断を受けた。疲労から来るもので、しっかり休めば大丈夫だろうと医者は診断しだ。
『…ぴゃあ』
gr「よし、明日の会議は中止だ」
os「明日俺家から出ぇへんから」
tn「やめろや馬鹿二人」
今日出社･出勤のグルッペンとオスマンは大人しく、涙目鼻水たれ、その上甘えん坊モードのAの元を離れたがらない。だがそれを許さないのがこの家のオカン、トントンだった。
tn「気持ちはわかるけどな？それで俺らが抜けたら誰がカバー出来んねん」
gr「嫌だ！俺はAのそばにいるんじゃ〜！」
tn「うっさいわ五歳児！オスマンも泣き真似してへんで、さっさと出るで！」
os「め゛ぅ゛」
しわくちゃの顔で諦めたように頷いたオスマンと、半ば引きずられるようにグルッペンが着替えに出ていく。
『…ぴゃぁ…』
tn「うぐ…、すまんな」
『ぴぃ…』
tn「〜〜ッ」
※
「…それで、私に一時預かってて欲しい、と」
tn「ホンマにすまん。今度埋め合わせするわ」
とんとんは、仕事のあいだだけえーみーるって人にわたしをあずけるらしい。体がおもくてうごかないけど、それだけ聞こえた。
tn「少なくとも風邪でしんどそうやから動けへんと思うねん。仕事片してすぐ迎えに来るから、マジで頼む」
em「トントンさんのお願いとあれば大丈夫ですよ。それに私、皆さんから話聞いてて結構気になってましたし」
よろしく、とえーみーるがわたしの手にふれる。『ぴゃう』と鳴いてまた目を閉じれば、えーみーるはからだがつらいのだと分かったのかやさしく抱き上げてくれた。
あったかい。いいにおいする。
おすまんと同じ、こうちゃのにおいだ。
『ぴぃ…』
tn「飯は食べれそうな時にちょっとずつ与えてみてな。無理に食わそうとせんでええし、お水だけ切らさんでな」
em「わかりました。温かい部屋に寝かせておきますね」
柔らかいもうふにおろされ、やさしく背中をなでられる。
えーみーる、あったかい。いいひと。
『…ｯﾌﾟｼｭ!』
em「おや、可愛ええくしゃみやな」
tn「くしゃみまで可愛ええとかホンマ天使やな」
em「トントンさん？」
とんとんのはんのうに困るえーみーる、少しおもしろかったな。
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鴉(プロフ) - 完結おめでとうございます。癒しと感動が詰まった素敵な作品に出会えて良かったです。 (2022年10月23日 8時) (
レス) @page28 id: 3595b6bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - お”ぉ”ぉ”ぉ”めちゃ感動するやないですかぁぁぁぁ！更新頑張って下さい！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page23 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - まさかの、まさかのツイートで癒されまくっていたあの猫ちゃんが小説に、、！？！？いつも素敵な作品ありがとうございます！無理のないよう更新頑張ってください！ (2022年10月2日 0時) (レス) @page4 id: 04c7a7add8 (このIDを非表示/違反報告)
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