01.ねこのおひめさま ページ1
とある大きなシェアハウスにて。
『…ぷにゃぅ』
柔らかいベッドで目を覚ました白猫のA。彼女はググッと体を伸ばし欠伸をした後、ペット用のドアを潜り抜けリビングへと向かった。
『ふなーぅ』
「ん、おはようさん」
早朝のリビングに既に居たのはシェアハウスで暮らす男、トントン。彼はこの家の家事担当であり、Aのご飯係でもある。
彼はAが起きてきた事に気付くと直ぐにお皿にいつものカリカリをよそった。そして「待て」をさせて、10秒きっかり待つと「良し」とサインを出した。
『にゃふ、にゃふっ』
「ゆっくり食べぇや。誰もとらんて」
カツカツと小さいながらにご飯を頬張る姿に顔を弛めた彼は柔らかな毛並みを大きな手のひらで撫でる。トントンの撫で方は優しく、安心するから嫌いではない。
「ふぁ…ん、おはよー…」
「オスマン。おはようさん」
次に起きてきたのはオスマン。トントンと同じくこのシェアハウスで暮らす、見た目が麗しい男性だ。
『にゃーう』
「ん、Aちゃんもおはようめぅ」
まだ眠そうな彼はAの前にしゃがみ頬を人差し指の背で優しく撫でる。ゴロゴロ喉を鳴らして受け入れればトントンがすかさず携帯のカメラでその光景を写真に収めた。日常茶飯事な光景である。
「トントンそれ後で送って」
「はいよ。…てかグルさんはどないしてん」
「あー…放っておいてええんちゃう？どうせ今日重役出勤なんやし」
「それもそうやな」
なんて2人はこの場にいない、シェアハウスの主を放置する事を決定したらしい。オスマンは洗面所へと消えていき、Aはご飯を食べる事を再開し、カリカリを平らげればトントンの足元に駆け寄った。
『なぁん』
「ん、ご馳走様やな」
『にぁ』
ご馳走様でした、と言わんばかりに足元に擦り寄りするりと離れていけば「今日もお利口さんやぁ」と彼は嬉しそうに笑った。Aは罪深い猫である。
だけどそんなAでも苦手な人間はいる。
「トントン！Aの飯は？！」
「もう終わったわボケェ」
自室の扉が乱雑に開かれ、そこから出てきたのは件の男グルッペンである。彼はAにとって苦手な人間なのだが、彼自身は猫が好きらしく好かれようと必死らしいのだ。
「クソ…餌で仲良くなる作戦考えとったのに」
「ならもっとはよ起きろや」
「うるさいめぅ〜朝位静かにせぇよ」
顔立ちの良い男性が三人、眉間に皺を寄せる。
彼らは私の飼い主である。
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鴉(プロフ) - 完結おめでとうございます。癒しと感動が詰まった素敵な作品に出会えて良かったです。 (2022年10月23日 8時) (
レス) @page28 id: 3595b6bfd1 (このIDを非表示/違反報告)
虹色のしっぽが付いた雪だるまのジャス民は我々だ！(プロフ) - お”ぉ”ぉ”ぉ”めちゃ感動するやないですかぁぁぁぁ！更新頑張って下さい！ (2022年10月17日 20時) (レス) @page23 id: 779b4574fe (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - まさかの、まさかのツイートで癒されまくっていたあの猫ちゃんが小説に、、！？！？いつも素敵な作品ありがとうございます！無理のないよう更新頑張ってください！ (2022年10月2日 0時) (レス) @page4 id: 04c7a7add8 (このIDを非表示/違反報告)
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