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優しい声で撫でてくれる手
サボる口実に使われるもお気に入りの昼寝スポットを教えて貰った記憶
誰よりも戦争が好きで、それと同時に仲間を思う気持ちが強かった
あぁ、なんで私はグルさんの事を忘れてしまっていたんだろうか。
『…グル、さん』
「あぁ」
『グルさん…グルさん、だぁ…っ』
にゃあ、という言葉の代わりに零れ落ちたのは涙だった。懐かしい、相変わらずふんわり香るインクの匂いと甘い匂いに思わず抱き着き顔を寄せた。
「久しぶりだな。元気にしてたか」
『うん…っグルさんは？』
「俺もまあ相変わらずだな」
『そっか…』
安心したように微笑めばグルさんは私をじーっと見つめる。なんだろう、人の姿が意外だったとか？
『どったのグルさん』
「…いや、なんでもない」
『？』
変なグルさんだなぁ。
「それよりA、お前はトントンの事を覚えているか」
グルさんは真っ直ぐな目で私を見つめる。
『うんにゃ、知らない』
「…そうか」
『あ、でも同じ名前の猫は飼ってるよ』
「は？」
うん、驚く顔するよね知ってた。
『えっと…ゾムさんとエーミールさんが教えてくれたの』
「…ほう？」
あっ多分知らされてなかったんだ。ごめん二人共。
「…とりあえず俺を見て思い出せたんだ、まだ可能性はある」
『？』
グルさんは立ち上がり私をいきなり横抱きにした。
そしてそのまま会社を出ようと上司の元へと向かう。
『え？え？！』
「申し訳ない、急用が出来たので私はこれにて。あぁ、彼女にお話があるのでお借りします」
そう言えば上司は目を丸くしながらも「ウチのをよろしくお願いします！」と親指を立てた。こっちは中指立ててやろうかと思ったけど踏みとどまった。私偉い。
「早速行くぞ」
『何処に？』
「トントンの元へと、だ」
彼が口にした、猫のあの子じゃない名前。
トクトク少しずつ落ち着きがなくなっていく鼓動を感じながら胸の前で拳を作った。
『…トントンさんは、私の事覚えてる…の？』
「わからん」
『え』
「…着けばわかる」
会社の裏の駐車場に止めてある車の助手席に降ろされ次第に黒塗りの高級車が走り始めた。
「…しかしあんな子猫がこんな美人になるとはな」
『お世辞は要らないよ？』
「本心だ」
『…んにゃ』
この時私は自分の精神状態に少し変化が訪れていたなんて知る由もなかった。
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名無していう名前の名無し - やばいでずぅ。目から涙がどまりばぜん…すぎでず…完璧にドンピシャ来て今も泣いてます←（嫌なコメントであれば消してください） (8月21日 16時) (
レス) @page26 id: cfc3f2d0fe (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - 暖かくて優しくて、そのまま微睡んでしまいそうな世界を見れて、とても良かったです。いつかオマケと言う名の小話を見れたら…なんて思いますが、それはまた別のお楽しみとしてとっておきます。黒瀬様の他作品も見てみようと思います(*ˊᵕˋ*) (6月23日 19時) (レス) @page26 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - 琥珀。さん» 長文でもありがとうございます。執筆者冥利に尽きるというものです。人の心に残る作品をかけてとても嬉しいです！こちらこそ、素敵な感想をありがとうございます。励みになります^^ (2022年2月23日 11時) (レス) id: 3a76da62a7 (このIDを非表示/違反報告)
琥珀。 - 《長文ごめんなさい》これは運命では？と思いながら読んでいましたがやっぱりとても心に残る作品でした。とても良いお話ありがとうございました！ (2022年2月23日 2時) (レス) id: 0b0b8f154b (このIDを非表示/違反報告)
琥珀。 - もう一度見たいなーって思ったんですけどその頃はまじの初心者で題名も何も覚えてなく諦めていました。ですが今日黒瀬様の作品を見ていると黒猫と赤い人を見つけ『これはもしや！』と思ってみたら僕が探していたものでした (2022年2月23日 2時) (レス) id: 0b0b8f154b (このIDを非表示/違反報告)
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