･ ページ14
em side
「エミさん、Aちゃんお風呂上がったで」
「しんぺいさん。ありがとうございます」
用事を済ませて城へと帰る。思ったより時間がかかってしまい、時刻は20時だ。
「はいどーぞ。眠そうやし、多分すぐ寝るで」
「わかりました」
Aさんをお風呂に入れてくれたしんぺいさんに感謝して抱き上げられた彼女を受け取る。
『くぁ…』
お湯で温まったほかほかの彼女はお気に入りのモコモコパジャマに身を包み、朝以来の再会だからかギュッと抱きついた。
『おかえり』
「ただいま。遅くなってしまってすみません」
『んーん』
甘えるように頭をぐりぐり押し付けてくるAさん。お昼は皆さんに遊んでもらって疲れてしまったのでしょうか。
「遊び疲れましたか？」
『んーんっ』
「…もしかして皆さんがパパ呼びお願いしてくるのが嫌でした？」
『んー…んーんっ』
首をふるふる振ったAさんは胸に頭を預けて赤い瞳で私を見上げる。
『…やっぱりパパは、パパがいいなって』
らんちゃんとか、トンちゃんもいいけど、やっぱりパパがいい。
そう言ってベストをきゅっと握る姿のなんと可愛らしい事か。
「…そうですか。私も、貴女の父親で嬉しいですよ」
『ほんと？』
「ええ。本当です」
小さな背中をトントン叩く。ウトウトしていた目は完全に閉じられ、次第にぷぅぷぅという寝息が聞こえてきた。
「ふふっ」
無邪気な寝顔に心がポカポカ温かくなる。
小さな体が冷えない様に布団を掛けてやり、もうひとふんばりと言わんばかりに背伸びをして書類に向き合うのだった。
※
『パパ、トンちゃん何処にいるか知ってる？』
彼から数年。今も変わらず彼女は私の娘として一緒に暮らしている。
「いえ。一緒に探しに行きましょうか」
『いいの？ありがとう』
優しい笑みを浮かべるAさんの手を取りゆっくり歩き出す。
パパと呼んでくれるのはきっとこの先貴女だけでしょう。
でもそれでいいんです。
貴女の幸せが私の幸せなのですから。
(あ、居た。トンちゃーん)
(Aにエミさんやん。どしたん)
(書類を渡したかったそうです)
(そかそか。ありがとうな)
(ううん。じゃ、パパ帰ろ！)
(はい。では)
(…ホンマ、あの父娘仲良しやな)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 414人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
かの(プロフ) - うぉぉお、、、序盤ですが面白い予感しかしません…！！！リクしたの自分ですが素晴らしい内容になること間違いなしですねこれは…(昇天)ありがとうございます。続きも楽しみに待ってます…！！！！！ (2022年2月23日 0時) (
レス) @page15 id: 0ce39d6e3c (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - 黒瀬さん» お返事遅くなってしまいましたが本当にありがとうございました！！ 設定があったのですね…勝手に想像してムフムフしてます！！ (2022年2月11日 22時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - 黒瀬さん» わ〜！！ありがとうございますっっ！！！！！嬉しいです…！！！(涙)emさん…っ！！！楽しみです……！！！！うぉっ、、全裸待機で、、、、待ってます！！！！ (2022年2月11日 22時) (レス) id: 0ce39d6e3c (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - かのさん» ありがとうございます！リクエスト内容を当て嵌めて書いてみたいのはemさんなので、そちらで書いていこうと思います！執筆まで少々お待ちくださいませ〜 (2022年2月11日 19時) (レス) @page12 id: 3a76da62a7 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - いつも見てますっ！！神作品過ぎて毎回尊死案件です…。リクエストしたいのですが、、、うさぎちゃんが知らない間にメンバーの誰かがkr先生の薬を飲んでしまい、うさちゃんと同じ位の年齢になり、一緒に遊ぶ等のシチュが見たいです…。よければお願い致します…！！ (2022年2月11日 8時) (レス) id: 0ce39d6e3c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
