09.遠くなった存在 ページ10
「A酷いやんー俺のLI〇EもTw〇tterもブロックするとか」
いつも通りの優希に喉が上手く動かない。
どうしてここに彼女と居るのだろうか。
『ご、めん』
「…ええよ。日野さんが教えてくれたし」
『え…』
優希の後ろにいる日野さんへと視線を移す。
彼女はいつもの優しい笑みを浮かべていた。
「Aさんすっごい優しい人だから、きっと私達の事を考えて関係を切ったんだろうなって思ったんです」
ニコニコ笑顔を浮かべてそう言い放つ彼女。呆然とする私の横でショッピ君は眉間に皺を寄せた。
「だからきっと他の人と一緒に居るんだろうなって思って…Aさん」
彼女が私の前までやってきてそっと手を取った。
「"私達"の為にありがとうございます。…"優希君"と幸せになってみせますね」
『……』
ニコニコ笑顔を浮かべる日野さんと照れながら頬を掻く優希。そんな二人を私は見ていられなくて俯いた。
「そういう訳でトントンさん、今度から偶に日野さん遊びに来ますけど許してくださいね」
「お前…正気か？」
「だって____」
「…Aさん」
『ッ、』
ショッピ君が何度も硬直して動かない私の肩を揺する。
だけど私はいつものように笑えなくて。
『…ご、め…っ』
「…ッ」
混乱して、訳が分からなくて、涙がこぼれ落ちそうになった瞬間。
「ショッピ君？」
「すみませんトントンさん、Aさん具合悪いみたいなんで保健室連れていきます」
バサッと上着を頭から被せられそのまま横抱きにされる。そしてトントンさんの制止も聞かずに生徒会室を飛び出した。
『ショッピ君…ッ何してっ』
「泣きそうになってる子がおるのに何もせんはず無いでしょ」
上着をズラして彼の顔を見れば怒ったようにアメジストの瞳を鋭くしていて。初めて見た顔に少しびびった私は大人しく横抱きにされ運ばれた。
「アンタは我慢しすぎなんすよ。色々」
そのまま保健室に到着し、相変わらずペ神不在の保健室のベッドに降ろされ顔を覗き込まれた。
「ここなら誰もおらへんし、素直になってええんやないですか」
『素直に、って』
「…今ならここには俺しかおらんから」
だから、と手を引かれ彼の腕に閉じ込められる。
「泣きたい時は泣けばいいと思いますよ」
『…ッ』
チーノとは違う匂い。だけど安心する温もりには我慢していた涙が零れ落ちる。
小さな頃以来に声を上げて泣きじゃくる。
それをショッピ君は何も言わず、優しく背中を撫でて抱き締めてくれた。
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ミカ - 完結しましたね正直何回も見ました笑 神作品ですね 凄くドキドキするような作品で見ていてとてもよかったです！更新お疲れ様でした！ (2021年2月26日 19時) (
レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
コップ - めっちゃ楽しい (2021年2月22日 19時) (レス) id: acc4622c57 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ - 続きが楽しみです！更新がんばえ〜！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: d2360c701d (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - この作品めちゃ好きですぅ...もしかして書いてる人神様ちゃう？続き楽しみにしてます！更新頑張ってください、応援してます！！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 3667a403af (このIDを非表示/違反報告)
桜華(プロフ) - 神様を見つけてしまった、、、！続きの展開がどうなるのか凄く気になります！皆さん同様に、応援しています！ (2021年2月22日 16時) (レス) id: 1bda5ccdb4 (このIDを非表示/違反報告)
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