27. ページ28
先日、帰宅したAさんから甘ったるい匂いがして眉間に皺を寄せた。と言っても香水とかの類では無くそういう事に長けてる種族の匂いだ。
だけど俺はそれが酷く嫌いですぐ風呂に押し込み猫の姿で擦り寄った。しばらくすればその匂いは無くなったので安堵したがそれを対処しないとまたあの匂いが着く。だから秘かに後を付けていた。
そうすれば保健医らしき男があのお香を用意したのを見て確認した。奴はインキュバス、狙いは彼女なのだと。
そして確かな証拠を抑えたところで俺は部屋に飛び込み、彼女を守る為に本来の姿へと戻るのだった。
※※
「いでで…猫又か。横取りにでも来たんか？」
「そこら辺の低級と一緒にしないで貰えますか？俺は彼女を守る側です」
Aさん大丈夫ですか？と彼は肩に触れるが途端に体に電流が走ったように体が跳ねる。ショッピはそれに目を丸くしていた。
『触ら、ない…で…っ』
「…」
「可愛ええなぁ…君もそう思うやろ？」
にこにこ笑顔の鬱先生にショッピは拳を握りしめた。
「…不愉快です」
「へ？」
声のトーンが一層低くなったショッピが爪を振れば離れた位置にあったお香がバラバラに砕け散る。そのまま着ていたアウターを頭から掛けぎゅうっと抱きしめた。
『っ？！』
「これ被ってええ子にしてて下さい。ちょっと掃除してきます」
抱きしめたままぽんぽんと背中を叩かれる。さっきまで冷たい声だったのに私に掛ける声はとても優しかった。
『…うん。お願い』
そうお願いすると小さく笑った声がして、やがてショッピが離れていった。
「猫如きに負けへんで？」
「そうっすか」
※※
しかし始まった戦いは、驚くほど呆気なく勝敗が着いた。
「いででで！ギブギブ！」
「猫如きに負ける妖なんておりゅ？w」
上着を被ったままだったので実際見たわけじゃないけど、どうやらショッピの素早さについていけなかった鬱先生はあっさり捕まり二、三発殴られて降参したらしい。だけどショッピは余程許せないらしく髪を掴んで鬱先生を禿げさせようとしていた。鬼かな？
「痛い！エミさんみたいになってまうからやめてや！」
「？」
『…エーミール先生の事？どうして…あっ』
「あっ」
そしてそこで彼はエーミール先生の仲間、つまりグルッペンさんの関係者と判明し、怒り狂ったショッピが乗り込んでチーノとトントンさんが土下座する羽目になるのであった。
(アンタら全員〇しますよ)
(いやマジですまんかった…)
(ショッピ、ステイ)
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 757人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まる(プロフ) - 続編あるのちゃんと見てなくて、｢あとがき」で心臓止まるかと思った…その後の安心感ったらありゃしない…ww 続編見てきます！ (2023年4月11日 2時) (
レス) @page50 id: 33402943a7 (このIDを非表示/違反報告)
お月様 - うわ〜〜！推しが守ってくれるってヤバイよ！次の章も楽しみにしてます！ (2021年3月12日 17時) (レス) id: b347abc4d4 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ@絶望少女です。(プロフ) - ねぇ…推しが尊いんですが！？どうしたらいいんだよｫｫｫｫｫｫｫｫｫｫオ！！・゜・(つД｀)・゜・ (2021年3月6日 17時) (レス) id: a5be711894 (このIDを非表示/違反報告)
海猫0126 - こんばんは！小説面白かったです^^これからも投稿がんばって下さい！ (2021年3月5日 20時) (レス) id: ecd79149f7 (このIDを非表示/違反報告)
Rin - ちなみに初見です。好きです。() (2021年2月28日 0時) (レス) id: ee43a6ccd3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
