黒瀬の短編置き場【d!】 (ページ21)

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恋まで0距離 rd ページ21

※VCRグラセフネタです。綺麗に沼りました。ホールインワンです。

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『ふぅ、治療完了しましたよー』
「ありがとうございました！」
『請求書投げますね』

シートベルトを忘れて事故り、ダウンした警察の人の治療に当たっていた私は治療を済ませ請求書を手渡す。救急隊は暇だと言われてたが、ゴールデンタイムはそんな事は無い。

『"これから病院戻ります、どうぞ"』
「"お疲れ様ですっ"」
「"おつおー"」

仲間達と同期してるラジオチャットでそう伝達をし、車を走らせ病院へと戻る。同期でありエースの麦ちゃんは私とすれ違うとすぐヘリコプターに乗って何処かへと消えていった。

『麦ちゃん頑張るなぁ』
「…あ、おつかれ〜」
『院長！お疲れ様です』

気だるげな、のんびりとした声が聞こえて振り返る。

そこには血塗れの白衣を身にまとったらっだぁ院長が居て、私は思わず叫んで医療バッグを手に駆け寄った。

『死にかけてるー？！！ちょ、ダウン前に止血…あ、その前に診断しなきゃ、えっと、』
「大丈夫大丈夫。これ返り血だから」

抗争の中治療頼まれてさ〜と、へらりと笑う院長。やっぱり院長足るもの、非日常の中でも余裕らしい。

『…誰か仕留めたんですか？』
「ちゃうわ」
『ちゃんと息の根止めました？』
「んー…多分？」
『やるならちゃんと息の根止めてから草むらに捨てるんですよ？』
「手腕鮮やかすぎワロタ」

何て下らない事を口にすれば「俺はそんな事しないから安心してな」と頭を優しく撫でられる。ずるいなぁ院長。そう言うのにキュンとしちゃうのに。

「で？Aは何してんの」
『今治療帰りでして。汗かいたしシャワー浴びたいなと思って』
「マジ？あーでもあれだよボディーソープ切れてたよ確か」
『え゛？！うそぉ…』

病院には仮眠用の仮眠室や汗を流す為のシャワールーム等がある。皆汗やら血やらに塗れるから、利用が多いんだよね…

『えー…なら大人しくアパートまで帰るかぁ…』
「んー…汗ふきシートで良ければあるけど」
『え?!神様?!』

話を聞けば院長も多忙で、最近よく使うらしい。まぁ確かに院長家無いとか、ベンチが定位置とか言われてるし…うん(納得)

「男物だけど、それでもいいなら」
『貰います使います！ありがとうございます！』

院長から受け取り早速首裏を拭う。メントールが肌を冷やし、心地よい風に思わず目を閉じた。

『ん〜最高…っ』

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