黒瀬の短編置き場【d!】 (ページ19)

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感情ループ zm ページ19

※直接的な表現はありませんが女の子の日ネタ。

女の子は１ヶ月に1度、ホルモンバランスが崩れる周期がある。

それは精神的にも影響を及ぼしネガティブ･精神不安定･虚無になったりを繰り返す。

「…おーいA？」

部屋の隅で蹲り膝に顔を埋める私の頭を優しく撫でるゾム。だけど温かいその手を私は払い『触らないで』と一言。

構わないで。1人にさせて。
そう言う癖に放置されると『なんで冷たいの』と面倒臭さを発揮する。自分でも面倒なのはわかってる。だけど、止まらないのだ。

「寝ないん？」
『寝れない』
「ならゲームする？」
『気分じゃない』
「なんか飲む？」
『要らない』
「んー…そっか」

心配して声をかけてくれているのに、私の心はジワジワと怒りを孕んでいく。

頭ではわかってる。だけど、感情は自分のものでは無いように怒りへと色を変えていた。

『…っうるさいな！黙ってどっか行ってよ！』

そう口にしてしまった瞬間私は後悔に駆られる。
違う、そうじゃない。そんなつもりは無いのに。

そんなことが言いたかったんじゃない。なのに、何でいつも強い口調になってしまうんだ。

『ゔ…っ、ごめ……っ』

その上涙腺は緩く簡単に涙を流す。私なんかが泣いていい権利は無いのに。ゾムの方が酷いことを言われて泣きたいはずなのに。

いや、寧ろ怒ってもいいのだ。心配して声をかけたのに何でそんなこと言われなきゃアカンのや、と。

自分が嫌になって立ち上がりリビングを出ようとゾムの横を走り抜けようとした。

が、大きな手のひらが手首を掴んでそれを阻止した。

「大丈夫やから」
『っ、やだ…っ』

拒絶されるんじゃないかとその手を払おうとするも、ゾムは私を私を抱き上げる。パニックになってじたばた藻掻くが、その癖腕の温かさが嬉しくて。それをわかってるゾムは私の抵抗なんかお構い無しに歩いて、私を膝の上に乗せたままソファーに座った。

『やだ…っ、離して』
「大丈夫やから、落ち着いて？な？」

腰に腕を回し頬にそっと触れられる。すり、と優しく撫でられ私は思わず抵抗をやめ心地よいその手に擦り寄ってしまう。

自分が何をしたいのか、もうわからない。放っておいて欲しいのに、一人は嫌で、訳が分からない。

『ゔぅ～～…っ』

涙がポロポロと止まらない。
情緒不安定過ぎる自分が嫌になって、ゾムの膝の上で項垂れ涙をただただ流した。

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