黒瀬の短編置き場【d!】 (ページ14)

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ストレス特効薬 gr ページ14

※grが変態臭い

私の彼氏さんは最近ご多忙でお疲れ気味です。
今日もボロボロの状態で帰ってきて目の下に隈を飼ってます。

ソファーに乱暴に座り、彼は今日の愚痴を口にしながらズルズルと横に倒れて沈み込んだ。

「疲れた。死ぬ。仕事に殺される」
『お疲れ様』
「…ん」
『はいはい』

隣に座って腕を広げれば、彼はその手を引っ張り私の胸に思い切り顔を埋める。そしてそのまま深呼吸し始めた。背中がゾワゾワするが、ここは我慢だ。

「…Aの匂いがする」
『変態臭いからやめて』
「何を言う。これがあるから明日も頑張れるんだぞ？」
『はいはい』

昔のカッコいい姿の彼はどこへやら。彼は胸を軽く揉んだり、匂いを嗅ぐ為に顔を擦り寄せたりしてくる。

何故殴らないのかって？

"「俺が毎日仕事に迎えるのはAが居るからだ。だがそばに居るだけでは満足し足りない。もっと触れたいしもっと堪能したい。だから無理にとは言わん、帰ったらその度ハグをさせてくれ」"

なんて言われたら断れなかったのだ。そうだよ惚れた弱みだよ畜生！！

当時承諾した付き合いたての頃の私を誰か殴ってくれ。そう思わずにはいられなかった。

「はぁ…温かいな…」

そう言って胸を枕にしてウトウトし始めるグルッペンの頭を慌てて叩く。まだコートも脱いでないのに寝たらシワがついてしまう。そうならないように先に脱がせなければ。

『グルッペン駄目。コート脱いで、お布団行こう？』
『積極的やな…今日は…』
「違うから！起きろこの変態ねぼすけ！」

ベシベシ頭を叩けばわかったわかった、とダラダラ起き上がってコートをハンガーに掛ける。上着も脱ぐ手伝いをしてハンガーに並べてかければ、後ろから抱き締められ肩に顔を埋められた。

「んん゛…A…」

ぐりぐり頭を押し付ける姿はまるで大きな子供のよう。そんな姿に微笑みながら頭を撫でれば、彼は少しだけ顔を上げて私の目を見た。

「…今日は一緒に寝ないか？」

残っている家事を思い出してみるがどれも片付け終わっていた筈。いいよ、と承諾すれば彼はいきなり私を抱き抱え、そのまま寝室へと歩き出す。浮遊感に驚いて首に腕を回せばグルッペンは嬉しそうに笑った。

「今日は寝かすつもりは無いからな？」
『え？！ちょ、明日も仕事で…』
「明日は有給使った」
『はぁ？！』

___"もっとお前に触れたい。許してくれ"

そう耳元で囁かれ、顔を真っ赤にしながら顔を逸らした。

彼にとって私は最良の特効薬みたいです。

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