09.眠気と葛藤中に ページ10
色々あって疲れた私は目を擦りながら船を漕ぎ始める。それに気付いた白い軍服の男の人が抱き着いてるオスマンを剥がした。
「オスマン待って、A眠そう」
「ホンマや。可愛ええなぁ」
「オスマン」
頬をぷにぷに弄るオスマンを叱る彼をボーッと見つめる。視線に気付いた彼は微笑みながら頭を撫でてくれた。
「ひとらん本当Aにだけ優しいよな」
「Aは大切な子だからね」
男前だなぁ、なんて思いながら彼はひとらんらんなのだと記憶しておく。
その一方で私の眠気は加速していてずりずりとソファーから横にずり落ちて沈む。ベットまで行かないと体痛くなるんだけどなぁ…
「Aさん、ちゃんと布団で寝ないとダメですよ」
「エミさんの言う通りですよ。起きてください」
「A起きろー？てやっ」
腕の中にもぞもぞと潜り込んできた三匹が肉球で叩いてきたり舐めたり頭突きしたりして起こそうと奮闘する。えーみーるとしょっぴとろぼろの3匹だ。だが何故か3人はまだ猫の姿のままだ。
「3人共恥ずかしがり屋ですからねー」
「喧しいわ！」
腕を引っ張られ抱き上げられた私は3匹を腕に抱いたまま見上げる。水色のふわふわの髪に牛乳瓶のような眼鏡を着けていた。消去法でチーノかシャオロンだろうか？
『…もしかしてチーノ？』
「そうですよ！この姿では初めまして！」
勘は当たったらしい。にっこり笑うチーノは私を抱き上げたまま頬を擦り寄せる。犬の時からスキンシップとるのが好きな子だな、とされるがままにしていたら突如チーノが悲鳴を上げた。
腕の中にいたしょっぴとろぼろが彼の手に爪と牙を立てていたのだ。
「Aさんに馴れ馴れしいねん離れろ」
「せやぞ！ベタベタ触んなや！」
「そう言って羨ましいだけやろ？ちび二人」
「黙れペテン師」
「おう喧嘩なら喜んで買うぞ？」
…とりあえず私を間に挟んでギャーギャー言わないで欲しい。
「3人共落ち着け。…チーノはそのままAを部屋に運べ」
「はーい」
グルッペンが見兼ねて諌めて私を部屋に寝かせるように命令を下す。
「ショッピとロボロ、エーミールはそのまま一緒に寝てやれ。不安になるかもしれん」
3人以外の周りがブーイングするもグルッペンの命令となれば逆らえないのだろう。残念そうな顔をしながら手を振っていた。
「…おやすみ。今度こそ良い夢を」
優しく笑みを浮かべるグルッペンに小さく手を振り、私は寝室へと連れていかれた。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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