42.お話と、君の姿と ページ44
「人狼とは物語に登場する、狼に化けることのできる人間、又は人間に化けた狼を意味する言葉です。月光を浴びると狼に変身するイメージを持たれることが多いですが、グルッペンさん達はそれが無くとも出来ます」
『…噛まれたり血を吸われたりしても同類になったりしない？』
「大丈夫です。吸血鬼とは違いますからね」
尻尾をユラユラ揺らすえーみーるはそう断言して話を続けていく。
「さて、次は猫又です。猫又は人狼とは違い、元々は普通の猫でした」
『実験でなったり生まれつきとかじゃないの？』
「猫又は100年以上生きた猫が成る、と言われています」
『はぇ…えーみーるは100歳以上なの？』
「さて？どうでしょうね？」
ふふ、と笑う彼の頭を少し乱暴にわしゃわしゃ撫でる。なんだか遊ばれている気がして、少しだけ悔しい。私には実際それが本当なのか調べる事が出来ないからだ。
『えーみーるって意外と意地悪だよね？』
「そんな事ありませんよ？」
『だってさ、人型も実は見せてくれた事無いじゃん！』
ロボロとかショッピとかは見せてくれたのに！と言えば「タイミングが無いだけですよ」とやんわりはぐらかされる。タイミングが無いとはどういう事なの()。
『…じゃあ、今見せて！』
「えっ」
『お願い！』
両手を合わせてお願いすれば彼は最初は首を横に振ったものの、「…ダメ？」とわざとらしく上目遣いでお願いすれば彼は顔を赤くしながら最終的に折れて、そっと姿を変えた。
ベッド脇に現れたエーミールは色素の薄い、サラリとしたブラウンの髪に白い肌、そして同じ様にその瞳も色素が薄いのか白く、どこか他の人とは違う雰囲気を纏っていた。
「…これで、満足ですか」
『ありがとう。嫌がってたのに、ごめんね』
「そうじゃ、ないです」
『？』
エーミールは自分の胸に手を当てて小さく呟く。
「私の容姿、普通じゃないですから」
『…それを気にしてたの？』
「そうじゃない、と言えば嘘になりますね」
気味が悪いでしょう？と自虐的に笑うエーミールに、思わずムッとしてベッドから起きてその手を取った。
『そんな事ない』
「え…」
『私はそんな事思わないし、私はエーミールのその姿、好きだよ』
彼は気にしているようだが私からしたら大人の雰囲気のある優しい男性だ。
「あ、ありがとう、ございま…す」
『？うん』
若干涙目な彼に「そろそろ手を離してください…」と言われたので手を離す。…人型のエーミール、ちょっと可愛いかも。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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