36.番犬と番猫 ページ38
『えーっと…』
「お願いします！」
両手を彼の手に包まれキラキラした目で見つめられる。うーん、私そう言うのあまり興味ないんだよなぁ…
『すみませんけど、そう言うのはちょっと』
「そこをなんとか！」
まずはお友達からお願いします！と話を全く聞かない様子にどうしたものかと小さく空を仰ぐ。
と、私の手を握っていた手が後ろから伸びてきた手によって離される。後ろを振り向けばゾムが立っていた。パーカーを深く被っている為顔は見えなかったが、どこか怒っているような気がした。
「…触んなや」
「いででででっ」
『ゾム…』
片手で手を捻り、もう片方の手で腰に手を回して後ろから抱きしめられる。逞しい腕に安堵する自分がいた。
「なっんだよお前…っ」
「チッス。ここのスタッフでぇーす」
目の横にブイサインを作って挑発するゾムに男の人は青筋を立てる。そりゃナンパに横槍が入ったのだ、当然といえば当然である。
「ここは犬猫愛でるカフェなんで、女の子漁りすんやったら他のカフェへ行って、どうぞ」
正論を言われてわなわなと震える様子に内心『あーあ』とため息をつく。面倒な事になりそうだなぁ。
「お前…俺は客だぞ！失礼なんじゃないか？！」
「ん？客だからなんやねん。神様ちゃうやろ。お前みたいな迷惑な人間」
「この…！」
___ゾム、正論で抉りすぎだよ。
『お客様、ウチのスタッフが申し訳ございません』
腰に添えられているゾムの手を退かし、1歩前へ出て頭を下げる。
『ですが私はそういった事に興味が全くありませんので、大変申し訳ありませんがお断りさせて頂きます』
そう言えば男の人は期待に明るくさせていた顔を怒りで赤くして、私の胸倉を掴みあげた。
『っ、う』
「この…調子に乗りやがって…」
掴んでいる腕と反対の手に拳を作って後ろに引く。
___あ、殴られるなぁ。
なんてぼんやり思っていたら彼の後ろに居た小さな影が横から蹴り飛ばし、思い切り吹っ飛ぶ。後ろで殺気を出していたゾムがそれを引っ込め、慌ててバランスを崩し倒れかけた私を後ろから支えた。
「ナイス、ロボロ」
「おうおうチビだからって舐めとんとちゃうぞコラァ」
私を殴ろうとした事に対して怒り心頭なのか、ロボロも青筋を立てて男の人を見下ろす。君、その体のどこにそんな馬鹿力あるの。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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