33.代行出来るかな？ ページ35
『…と、言うわけで朝から貧血でね』
「よくわかった。わかったから、もう帰れ」
『あぃ…』
ふらつく体をなんとか壁にもたれかかって耐え、やって来た兄さんに説明をする。彼は呆れたようにため息をついて帰れと私を回れ右させた。
因みにぞむとろぼろは寝不足で起きてこなかったからお休みさせるね、と嘘をついておいたので問題は無い。兄さんへの罪悪感が凄いが、正体がバレないようにするには致し方ない。
『それでね、私の代役に2人いるの』
「代役？」
『うん。2人ともおいで』
私が手招きすれば緑のパーカーを身につけたゾムと、オレンジの着物のようなものを身につけたロボロがおずおずと姿を現す。
『フード系は兄さんに任せちゃうけど、ホールなら出来ると思う』
「…わかった」
「ﾁｯｽ。緑川望、や」
「桃瀬労やでーよろしくお願いします〜」
私が考えた偽名でなんとか誤魔化し、私は部屋へ、ゾムとロボロは兄さんに連れられカフェへと別れた。
※※
「おいこねしまコルァ！掃除の邪魔すんな言うとるやろ！」
「キャン！」
「おいロb…労、構うだけ無駄やぞ。無視して続けなアカン」
「ゾm…やなかった、望！コイツ俺の身長だとギリギリなの知ってて棚の上乗って邪魔すんねんぞ！」
「チビ乙」
「ンだと！！！」
カフェではワンコとにゃんこに遊ばれまくる2人の姿が。
「お前ら」
「ゲッ」
そんな彼らはあまりにも騒ぎすぎた為兄さんからゲンコツをプレゼントされる。
「ちゃんと仕事しろや。殺るぞ」
「すんません…」
「ンッフフw労殴られてやんの」
「お前もやろ…」
「もう1発食らうか？」
「「ごめんなさい」」
人の姿で奮闘する姿にぐるっぺん達は他人事のように笑っていた。
※※
『うぅ…』
鉄分補給の為の薬を服用してしばらく。身体のだるさは未だに取れなくて昼だと言うのに私は芋虫のように布団にくるまっていた。
そこにやってきたのは兄さんの目を盗んで抜け出したトントンだった。彼は苦しんでいる私の頭を優しく撫でて「飯作るから待っててな」と微笑んで部屋を出ていった。
『(トントンいいオカンになれるなぁ)』
なんて貧血でぼんやりする頭で馬鹿みたいなことを考えていると、遠くの方から玄関を開ける音がした。
「…Aー？起きとるか？」
声の主は兄さんだった…のだが、今はまずい。今リビングにはトントンが居る。
『ちょっ、待って…』
姿がバレる訳には行かなくて、私は慌ててだるい体を起こしてリビングへと走り出した。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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