19.反省会 ページ20
『ちょっと待って！』
刃を首筋に宛がったままひとらんは止めに入った私を見る。
「大丈夫大丈夫、苦しまない様に一瞬で終わらせるから」
『そうじゃなくて！』
彼にしがみついて執行を止めさせる。怖かったけどそこまでしなくていい！と伝えれば、彼は渋々手を離して刀を鞘に納めた。
「オスマンどうする？」
「んー本当は許す気あらへんけどなぁ」
床に座るゾムの目線に合わせるように屈んで膝で頬杖をつくオスマン。
「ま、そこら辺はグルッペンから追って伝えるわ」
『うん。…殺しは無しでね』
「そこはグルッペン次第やなぁ」
顔を白くして笑うゾムから離れ私を抱きしめるオスマン。よしよし、と背中をポンポン叩く心地良さに思わず目を細めた。
「とりあえず一度解散にしよか。Aちゃんは何かやる事あるん？」
『雑務があるよ』
「んじゃ、ひとらんはゾム連れて帰って。俺はAちゃんのお手伝いするから」
『え？』
ひとらんはオスマンを信頼してるからなのだろう、犬の姿に戻り異論も唱えず猫の姿に戻ったゾムを銜えてカフェへと戻っていった。
「よっしゃ、頑張るぞー」
『いいの？オスマン』
「ええんやで。たまには人の姿で運動したいし」
それにAちゃんの助けになりたいからな、とウィンクする彼は早速お手伝いするぞ！と腕をまくって意気込んだ。
「さ、何すればいいん？お父さん頑張っちゃうぞー」
『ふふっ 何それ』
早速オスマンと共に皆のご飯の備蓄を確認する事にした。
※※
「___で、だ。なにか弁明は？」
「ﾅﾆﾓﾅｲﾃﾞｽ」
「よろしい。なら死ぬがよい」
『はいストップ』
その日の夜。閉店してすぐに人型になったグルッペンとトントンに引き摺られるようにゾムは連れていかれ、今リビングのど真ん中に正座させられている。私は足を組んで座るグルッペンの隣に座っていて、おすまんとひとらんらんが私の膝の上に乗っていた。もふもふしてて癒される。
『殺しは無しって言ったはずだけど？』
「俺らが許せん」
腕を組む彼は自分の腕をギュッと掴む。アザになったら大変だから、とその手に触れて首を振る。
『未遂だったし大丈夫。それに皆が怒ってくれたからもう充分だよ。ゾムも、もうしないって約束するよね？』
こくりと頷いたゾムに私は膝にいた二人を降ろして立ち上がった。
『よし、皆ご飯にしよ！』
無理やり話題を切り替えるためにそう言って、皆のご飯を用意すべくキッチンへと向かった。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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