18.盗み食い防止 ページ19
起き上がれない私を見下ろしながらゾムは手を取り指を絡める。
『ゾムステイ！』
「嫌やぁ」
『グルッペン達にバレたら怒られるんじゃないの？！』
「バレなきゃええやろ」
『適当すぎ！』
首や顔にキスを落とすゾムは彼らにバレたらどうなるかなど考えていないのだろう、満面の笑みを浮かべて私を見下ろしている。と言うか君達首狙うの好きね？ベースが動物だからなの？とりあえず擽ったいからやめて欲しい(あと恥ずかしい)
「だってA美味しそうなんやもん。な？ちょっと位ええやろ？」
『痛いのは嫌』
「大丈夫大丈夫、優しくしたるから」
『皮膚に牙を突き刺すのに優しいも何も無いと思うの』
正論を口にするが「まあまあ」と流され赤い舌が鎖骨の辺りをちろりとなぞる。反射的に声が漏れてしまい慌てて片手で抑えるも遅く、ゾムは恍惚とした表情を浮かべた。
「ええなぁ…ゾクゾクするわぁ」
『っ、』
逃げようとするも片手は絡め取られて床に押し倒されている状況の為それは叶わない。彼からの首や鎖骨、耳への口付けにひたすら耐える他なかった。弱い所を容赦なく攻められる、ある意味拷問に目からぽろぽろと涙が零れ落ちた。
それをゾムはペロリと舐めた。
「ん、もうそろそろええかな」
『ゾム、おねがい…やめて…』
シャツの首元を広げてゾムは口を大きく開ける。
ダメか、と目を咄嗟に瞑り痛みに耐える姿勢を取る。
すると突如聞こえた、バキッと言うドアを破壊する音。それと風を切る音と何かを思い切り叩き付ける鈍い音と、ゾムの呻く声が聞こえた。
『…え？』
「___Aちゃん遅くなってごめんなぁ」
目を開ければ上にいたゾムはいなくなっていて部屋の壁を背に倒れていた。そして目の前にはオスマンがいつもの笑みを浮かべて屈んでいてその隣には腰に差していた日本刀を抜いたひとらんらんが立っていた。
『オスマン…』
「うちのゾムがごめんな。…ひとらん」
「大丈夫。任せて」
地を蹴ったひとらんが逃げようとしていたゾムの進路を塞いで首根っこを掴んで地面に叩きつける。その目にいつもの優しさは無かった。
「Aに何してんの。ゾム」
「い、いやぁ…」
「大方盗み食いやろ。俺らが許すわけないやん」
ため息をついてオスマンはスッといつも細めている目を開けた。翡翠の瞳が彼らを見つめる。
「…好奇心は猫を殺すって言うやん？」
しゃあないよな、というオスマンの声にひとらんは頷き、刃を彼の首に突きつけた。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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