16.脅威の企み ページ17
彼らの事を知ってから数日後のある日。
カフェが開店してから数時間後の昼下がり。のんびりした店内ではぐるっぺん達がいつもの様に自由気ままに歩き回っていた。
「おすまんくーん！こっちおいでー」
「めぅー」
「うつくーん！」
「にゃぁん」
「えみさーん！ハグさせて！」
「に、にゃうっ」
「あっ 逃げた…ざんねーん」
「しょっぴくーんこっち向いてー！」
「(プイッ)」
「ありがとうございます！！」
『…みんな元気だねぇ』
今日は猫好きのお客様が多いらしく、にゃんこ達はチヤホヤされている(しょっぴは無視決めてるけど)。
『…2匹(ふたり)は？いいの？』
「にゃー…」
「にゃん」
だが猫の中でもマイペースなぞむとろぼろは皆と離れて私の足元にいた。体調が悪いとかそういうのではないと思うけれど。
足にしがみついているろぼろを抱き上げて目線を合わせた。
『どうしたの。ろぼろ』
小声で問いかければ彼もまた小さな声で、人の声で呟く。
「…めっちゃ眠いねん」
『え？夜寝てないの？』
「寝たけどまだ眠いねん」
猫は本来夜行性だ。だから昼間は寝ていたり動きが鈍い子が多い。彼らも猫又とはいえ例外ではないらしく、皆のんびりしている。
ひょいとろぼろを抱き上げてゆりかごのようにゆらゆら揺らせばかなり眠かったのか、やがて小さな彼から寝息が聞こえてきた。
「…にゃー」
『ん？どしたのぞむ』
足元でカリカリ引っ掻くぞむに合わせて屈む。すると身軽なぞむはぴょん、と私の肩に乗ってきた。
「俺も構ってぇや」
『…ぞむ、今ろぼろ寝てるの。わかるでしょ？』
「嫌やぁ」
ぐるぐる喉を鳴らしながら頭を押し付けてくるぞむに小さくため息をつく。可愛いけど、両手が塞がってるので無理なものは無理だ。
仕方が無いのでそのままぞむも腕に抱いて兄さんの元へと駆け寄る。
「ん？どしたん」
『ろぼろとぞむが眠いみたいで、ここじゃ寝れなさそうだから家に置いてこようかなと思って』
「おっけ。…他の奴らは俺が見てるから、ついでに家の食料とか雑務とかしてきてええで」
『いいの？』
「いつもアイツらおるとスムーズに出来んやろ？偶には時間ないと疲れるだけやし」
お前は1人で頑張るからなぁ、と頭を撫でる兄さんに胸が熱くなる。ありがとう、と頭を下げてお礼を言ってカフェを後にした。
「…ンッフフw」
『ゾム？何か面白い事でもあった？』
「なんでもないで！」
不敵に笑うゾムに嫌な予感を覚えたが、私は2人を連れて家の中へと戻った。
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遥(プロフ) - 当時はコメントをしておりませんでしたので今更となりますがコメント失礼致します。本作はとても素晴らしい作品で、多忙な毎日の楽しみにさせて頂いていました。本日は誠に勝手ながらそのお礼を伝えたいと思い馳せ参じた所存です。素晴らしい作品を有難う御座いました。 (2021年11月20日 21時) (
レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
遥(プロフ) - 初めまして、コメント失礼致します。一年ほど前に初めてこの作品を拝見して以来、ずっとこの作品の虜となっておりました。以前このサイトの垢を消してしまったせいでこの作品をもう一度見つける事が出来なかったのですが、今日になって漸く探し出すことができました。 (2021年11月20日 21時) (レス) id: 9095c0dec3 (このIDを非表示/違反報告)
114514 - 心臓が死にかけに……………ぐはっ (2020年7月1日 21時) (レス) id: 3a17ec7a5b (このIDを非表示/違反報告)
黒瀬(プロフ) - ふぁこ。さん» ありがとうございます！ヽ(；▽；)ノ最近更新ペースが少し落ちてますが、頑張ります！ (2020年2月26日 13時) (レス) id: 46340c89d0 (このIDを非表示/違反報告)
ふぁこ。(プロフ) - 設定と黒瀬さんの文章が好きで、いつもキュンキュンさせてもらってるんですが、突然の戦闘(？)シーンが好きすぎてドキドキしました笑。応援してます！頑張ってください (2020年2月25日 19時) (レス) id: f472df8b77 (このIDを非表示/違反報告)
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