June Bride (ページ10)

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夜の病室は、何度入院しても慣れることはない

カーテンの隙間から見える月明かりにほっとしながら

『やっぱ、怖いなあ』

「何びびってんねん」

『えっ……』

慌てて声の方を見ると

『れん、』

「もう面会終わり？」

『今何時だと思ってんの.......』

もうすぐ23時、面会時間はとっくに終わってる

「間に合わんかってん。ごめんな、大丈夫？」

不意な優しさに、胸がドキンと大きく脈打つ

「でもほんま、無事でよかった。ほんまにごめん。俺がっ.......」

『廉、廉のせいじゃないから。誰も悪くないし、謝らないで？』

「でも.......」

顔はよくみえないけど、暗がりの中に響く震えた声が、つんざくように頭に響く

『廉、連れて行って欲しいところがあるの』