June Bride (ページ13)

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あれから、廉にも先輩にも会えずに

夏休み最後の週がやってきた。

最後の週と言えば、地域最大のお祭りがあって

廉と行く約束をしてて

『浴衣は、前着たし.......うーん.......』

「なにブツブツ言って～、デート？」

『ち、ちがう......お母さん、浴衣他にない？』

「いいじゃない、それ前も似合ってたし。」

『そうかな～.......』

自信もって！って、そそくさとお仕事に行くお母さん。

母子家庭で、夜勤も多くて大変そうなのに
辛い顔なんて見せなくて

『行ってらっしゃい！』

私も急がなきゃ！

家を出るぎりぎりまで鏡とにらめっこして

お化粧はよく分からないから、薄いピンクのリップをつけて

『うん、この間よりは、大丈夫.......なはず！』

思った以上にギリギリで、髪型が崩れない程度に急ぐ

「一生懸命すぎちゃう？( 笑 )」

どうしてあなたは、すぐに私の心をかき乱すのだろう

乱れた呼吸を直す暇もなく

というか更に呼吸が乱れて

「あ、ごめん、ほんまそんなつもりやなくて！」

おどおどするあなたに

かける言葉は見つからず

『先輩·····なんで.......ここに』

「ここ来たら会えるかなあって思って。この間はほんまにごめん。ホンマに知らんくて俺」

上手く言葉がでなくて、首を横に勢いよく振るばかりで

「今日の花火、俺と見てほしい」

何度も言うけど、

いつも急に現れて

心をかき乱して

またどっかいっちゃうんじゃないかって

不安にさせるの