Pomegranate【そらる】

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ー蝉がせわしく鳴いている







家を出てから徒歩10分前後



目の前にあるのはわたしの通っている
ごく普通の何も無い高等学校




特に友達という名のものもいないので
挨拶なんてする事もなく
教室に入り窓側にある自分の席に座る



｢ ねぇ、これやばくない？ ｣


｢ なになに、どうしたの？！ ｣


｢ 妙な噂が広がっててね
わたしの友達が聞いた話がなんだけど ｣


｢ うんうん ｣


｢ 町外れの森に出るんだって、吸血鬼が！ ｣


｢ え！？ 嘘、やだなにそれ怖すぎ ｣


｢ まあ、嘘なんですけど〜！！ ｣


｢ は〜？！ちょっと！驚いちゃったじゃ〜ん！！ ｣


｢ ごめんごめん許してってば〜 ｣



騒がしい教室の中で聞こえてきた
クラスメイトの会話



吸血鬼、そんなものが実在するのだろうか



わたしには理解不能だ 。







そしていつものように授業が始まり
気が付けば放課後 。



『 …帰ろう 』



わたしは荷物をまとめ教室を出た

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