少女の成長物語 with 再生屋コンビ 7

263＊鉄平、なぜか戦線離脱 ページ36

「もう！話が進まないじゃないですか！まだ喧嘩を続けるなら、私帰りますよ！」

そう言った瞬間、静かになる二人

「まぁ、俺的にはそっちの方が良いけどな」

「…ごめんね、ルナちゃん。僕は君から連絡をもらてからこの日を心待ちにしてたんだ。君が帰ったらとても悲しいよ」

「喧嘩しないなら良いですよ！」

ホッとした顔をするココさんと、プイッとそっぽを向く鉄平さん

あんまり二人を会わせない方が良いのかな…

「それで、お礼の件なんだけど…」

「はい！何かやって欲しいこととかありますか？」

「そうだね…それじゃあ……」

ココさんは目元をうっすら赤に染めて

「僕と……デートしてくれないかい？」

少しはにかみながらそう言った

デート……っていうのは…

『男と女が一緒の時間を過ごすことだよ』

この前鉄平さんが言ってた言葉を思い出す

「君と二人でデートしたいな」

「二人じゃねぇけどな！」

「自覚があるなら消えてくれないか？」

「お前がルナちゃんに良からぬ事をしないか監視するんだよ！」

「鬱陶しいことこの上ないね」

「どうとでも言え！」

あーもう、また…

やっぱり、この二人は同じ空間にいない方が良いのかもしれない…

「わーかーりーまーしーたっ！…それじゃココさん、私とデートしましょ！」

「本当かい！？」

パアッと彼の顔が輝く

「嬉しいよ！ありがとう！」

私に向かって両手を伸ばすココさん

抱きしめてくれるのかな？

でも彼は私に触れる直前でピタッと動きを止め、そのまま両手を引っ込めた

「…さぁ、そうと決まったら行こうか。時間がもったいないしね」

何もなかったかのように振る舞う

もしかして…まだ毒のことを気にしてる…？

後で話を聞いてみよう

「…ルナちゃん」

「どうしました、鉄平さん？」

不意に話しかけてきた鉄平さんは、とてもばつの悪そうな顔をしていた

「俺…やっぱり帰るよ」

「え？」

「なんか…かっこ悪いなって思ってさ。さっき師匠にも言われちゃったし…」

「そんな、せっかく来たのに…」

「良いんだよ！あ、でもあいつに嫌なことされたらすぐに言ってね？どこにでも飛んでいって助けてあげるからさ！」

「ふふっ！頼もしいですね！」

「あと……また、俺ともデートしてね」

また真っ赤な顔

鉄平さんがこの顔をするときは何を思ってるんだろう…

私はこの時初めて、私に向ける彼の気持ちに少し興味を持ったような気がした

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