#137 ページ31
.
「勿論、そらるとしての活動はこれからも続けていきます。妻という存在ができたことで活動の幅が狭まることはありません。なので、これからも変わらず応援していただけたら嬉しいです。」
何かあれば、コメントに書いてください。答えます。
そう言えば、荒れ始めるコメント欄。
滝のように流れるコメントを追って、拾っていく。
「"婚約したのはいつですか?"。去年行った夢セカツアー初日の時です。」
「"結婚式はいつやる予定ですか?"。詳しくは言えませんが、婚姻届を出すのも結婚式も今年中を予定しています。」
「"他の歌い手さんは知ってるんですか?"。はい、知っています。3月にあったまふまふのライブを始め、ちゃんと報告しました。」
できる限り、流れてきたコメントを拾って答えた。
祝福のコメントが埋め尽くす中、時折「そらる推しやめる」「いみわかんない」「うざ」というコメントが流れていった。
分かっていても、やっぱり辛かった。
「俺の今があるのは、ここまで支えてくれた彼女のおかげです。もし、俺が活動を続けたことにより彼女が傷つくことがあれば、俺は迷いなく歌い手を辞めます。」
「彼女のことを批判したり罵倒するのは、絶対に許しません。誹謗中傷は俺が受けます。…俺からのお願いです。彼女を傷つけないでください」
わかりました、というコメントがまた滝のように流れる。
「放送、来てくれてありがとうございました。録画は残しておきます。じゃあ、おやすみなさい」
放送停止ボタンを押す。
Twitterを開いて、下書きに置いておいたツイートを開く。
そらる≪@soraruru:放送ありがとうございました。放送に来れなかった人も、録画を残しています。また、ブログも更新するのでそっちも見てください≫21:19
生放送を聴いていたリスナーの一部が広めたのだろう。
自室を出て、リビングに戻る。
イヤホンをつけた梓が、こちらを一瞥した。
『放送お疲れ様』
その笑顔にひどく安心した。
.
342人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こん - 無理しない程度に頑張ってください!応援してます! (2018年10月9日 18時) (レス) id: bc3ee8c138 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ