Just be Friends－restart－ (ページ3)

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#77 ーseven years agoーページ3

2010年夏
梓 , 翔太 , 真冬大学1年生
彼方大学4年生

～彼方(そらる)side～

「おはようございます、彼方先輩。梓ちゃんも。」

梓と話していると、笑顔を浮かべた翔太と真冬がやってきた。
梓もそれに気づいて、おはようと笑った。

そのまま4人で校門から校舎までの道を歩く。
前には梓と真冬が歩きながら話していた。

「梓ちゃんは今日の講義、いくつ？」

『えーっと……2つかな。真冬は？』

「僕は3つだよ～。いいなぁ、早く帰れるね梓ちゃん。」

『あはは、そうでもないよ』

ね？、と梓がこっちを向く。

「あーっ、彼方さんと帰るのかー」

真冬がニヤニヤとしながら少し大きめの声で茶化す。それを聞いた翔太は少しだけ不満そうな顔をして、すぐに表情を変え、笑った。

「彼方さんと梓ちゃんがよければ、一緒にお昼ご飯食べません？」

『私はいいけど、彼方先輩は？』

「ん。俺もいいよ」

「じゃあさ、いつもの食堂行こうよ！」

「そうだね。あそこ安いし美味しいし…」

楽しそうに歩く梓の両隣が真冬と翔太になる。
幼馴染だからか距離が近くて、多分俺は割り込めない。
3人の後ろを少し距離を置いて歩いていると、翔太が俺の方をチラっと見て

「…べ」

ニヤリと小さく舌を出してきた。

梓と真冬は気づかない。
俺もそんな翔太にやり返す気になれなくて、目をそらした。

翔太は面白くなさそうな顔をした後また2人の会話に混ざる。

……敵対心がないわけじゃない。

でもどうせ幼馴染の輪に俺は入れないのだから、ここで敵対心を出したって虚しくなるだけだ。

そのあとはテキトーに時間を潰して、先に終わった梓と少し外に出たあと、翔太と真冬に合流して昼ごはんを食べる。

そんないつも通りの1日。

・・・

俺が大学を卒業してからも、梓とはもちろん翔太と真冬との付き合いは続いていた。

俺はそらるとして。
真冬はまふまふ、翔太は天月として。
歌い手としての繋がりもあった。

月日が経つにつれて、翔太の梓への恋心は目に見えなくなって、いつしか"友達"としての気持ちしか見せなくなった。

それに、どこかで安心している自分がいた。

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