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ガコン
「ん。」
「わー！ありがとう！」
三郎から渡されたのはスポーツドリンク。もちろんおごりだ。
「私、これ結構好き。これ買ってもらえたんだったら数学頑張ったかいあったなぁ。」
「次は絶対おごらせる。」
昨日あった定期テストで数学の点数を競い合った。勝てたのは奇跡だと思う。1点差だから。
「1口ちょーだい。」
「どーぞ。」
ペットボトルにあてがわれた唇に少し胸がキュッとした。回し飲みする時平常心じゃ居られなくなったのはいつからだろう。
「ちょ、ちょっと飲みすぎだって！」
べ、と舌を出してこっちを笑いながら見る三郎。また、飲み口に口付けた。どこまでキュンキュンさせれば気が済むんだよ。
返されたペットボトルは三郎の体温で少し生温くなっていた。
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