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「ちょっとA!その話、どういうことなの?」
「くわしく!」
「「教えて!!!!!」」
私は今教室で2人のかわいい友人から詰め寄られている。
事の発端は三郎と1ヶ月限定で付き合うという話を2人にしたことだ。この2人なら誰かにベラベラ喋るようなこともないので安心だ。
「私も三郎、訳わかんないよ…。」
「当事者でも訳がわからないのか?」
「なんか色々グダグダじゃーん。」
呆れた顔をされるのも仕方がないと思う。だって急すぎるし。
「でもA、これはチャンスだよ。」
「チャンス?そうだけど…。」
ポジティブシンキングの勘ちゃんが言うには、この機会にもっと三郎に私のことを意識させる。そして、幼なじみから恋愛対象へとランクアップ!という道筋が良いらしい。
「でも、」
「でもじゃない!」
意外と熱血な兵ちゃんが高野豆腐を私に差し出しながら目を軽く吊り上がらせる。
兵ちゃんの高野豆腐は自家製なのですごくおいしい。
「今やればチャンスってこと、Aも分かってるんでしょ?じゃあやるしかないの!」
そっか……やるしかないのか…。
「兵ちゃん!勘ちゃん!私がんばる!!」
いきなり席を立った私を見上げる2人の顔は笑顔だった。
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