6.対面 ページ7
城についた
その中は大慌てであった
それはそうだろう。主である信秀が賊に襲われ、尚且つ見知らぬ小娘を連れて帰ってきたのだから
大広間にて
「紹介しよう。
わしが新たに勧誘をしてきた球磨川 絢音だ。」
「ご紹介にあずかりました。
球磨川絢音と申します。」
「絢音はわしの息子の教育係とする。
心配はするな、こやつは裏切らぬ、必ずな。」
信秀はさっきまでの僅かな時間で彼女の性格を多少なりとも把握していた。彼女は琴線に触れぬ限り他者に対して何か危険な行動を起こすことは無い人物だと
大広間に集められた家臣は困惑していた
賊を一瞬で殺めた、そして女子
黒地に控えめな花が描かれた着物を膝上までの長さで着ており、2振りの打刀を持つ、華奢な女
このような女を殿のご子息の教育係とする?と
「不満を持つ者もいるだろう。
見極めよ、疑っても良い。
しかし傷つけることは許さぬ。
話すことは以上だ。解散せよ。
絢音、そなたはこちらだ。」
絢音はある部屋に連れてこられていた
「ここにわしの息子が2人おる。
お主にどちらか選んでほしい。」
「御意に。」
部屋に入る
そこには2人の男がいた
「右に座るは次男である信長、左に座るは三男である信行だ。」
絢音は2人を見た
この場にいる人に気づかれないように、見定めていたのだ
「私は…信長公、貴公にお使えしとうございます。」
「ほぉ…うつけと呼ばれるこの信長にか…」
「(やはりか、お主は信長を選ぶと思っておったよ。)」
「わかった。信長、お前に異論はあるか?」
「くっくっく…ない」
「感謝致します。
これからよろしくお願い致します。
信長公…いえ、若君とお呼びさせていただきます。」
信秀と信行が去った後
「改めて、お初にお目にかかります。
球磨川絢音と申します。
本日より若君の教育係を務めさせていただきます。
平手政秀殿、沢彦殿、よろしくお願い致します。」
「こちらこそお頼み申す。」
「いやぁ、しかし若いのぉ。
失礼だがお幾つだろうか?」
「17となりました。」
「17とは……家庭を持つことは考えなくてよろしいのですかな?
貴方ほどの容姿を持てばよりどりみどりでしょうに。」
「する気はありません。
私は誰かを愛することはないでしょう。」
「(ずっと思っていたが瞳に光がない。
これは訳アリですかな……これが信長様にどう影響を与えるのか)」
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作者名:梓蝶 | 作成日時:2018年7月25日 19時