【浦島坂田船】ある船の専属絵師さんは腐女子だったようで…！？ 2

「おおおお俺はいたーって正常だからなっ？」「説得力にかけるで…」『そそそそそうだよ、夢だよね、うん！』「…フ、フユカちゃんまで…(内心は推しcpなので一番あらぶっている人)」 ページ25

「わ…！まふまふ綺麗…！！メイクまでしたら綺麗すぎて違和感なしだよ…！」

「ワー…アリガトウゴザイマスー」

そらるさんに褒められるのは嬉しい。
女装じゃなかったら。
女装は罰ゲームのとき以来だが、またこうして着ることになろうとは。二度と着ないと誓った筈なのに…。

「いやー、顔面偏差値が高いんで腕が鳴ります！」

綺麗な日本語で話しかけてくる店員さん。
どうやらここは日本人が結構くるらしく、実際に日本に行ったことある人が働いてることが多いらしい。

あらためて、ドレスを鏡の前で見てみる。
今は銀髪に染めているので、純白のドレスにそこまで浮いていない。
つい前までは金髪だったので、染めておいてよかったと思う。
そらるさんが選んだドレスは誰もがウェディングドレスと言われて思い浮かべるようなデザイン。

「このドレス…可愛い、」

「でしょ？まふまふに似合うと思ってさ、」

僕に似合うかどうかは置いといて、そらるさんは意外にファッションのセンスがある。
興味がないだけで。
そらるさんもどうやら試着したようで、白いタキシードに身を包んで僕の前に立つ。

少し襟足の長い黒髪が白い服によく映えてて、白い肌は服と同化してしまいそうだ。
タキシードはキチッとした服装なのでそらるさんの長い足が強調されている。
一言でまとめると、言葉にできないくらいカッコいい。

「…ふ、全部声に出てるよ？」

「えっ…う、嘘…！！」

「本当。…サイズは大丈夫だし…、あとは会場の方に行かないとね。」

服は着替えたが、会場に行くまで緊張している僕の手を握ってエスコートする姿はタキシードを着ていた時よりもとてもかっこよく、本当に…。

「…絵本で見たような僕の王子様だ…」

「…ふふ、また声に出てる。そんなに俺がカッコいい？」

「もちろんです！」

「…そっか、ありがとう、」

僕の額に一つ、キスを落とすと何事もなかったかのように真っ赤な顔の僕の手をひいて歩き出す。
微笑ましそうに見てる店員さんも気にせずに。

「……も、うっ…。あほ…バカ…。」

彼には叶わないだろう。
これから先も。

永遠に、…どうか神様。

『そういうセンラくんは！！』「…俺がなんや？」『…な、』「…い、一番あらぶるはずなのに…！！あらぶって…ない、だと…！？！？」←→←『あああぁ…ついに公式の結婚式ですよ…、センラくん、うらたさ……』「うん、落ち着け、フユカちゃん。これはきっと夢なんだから、な？なっ？」「うらたんが一番落ち着いてないやん…」

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