【歌い手】Is she loved by…？

六話。 ページ8

「Aちゃん！！！」

センラくん…だろうか、私の部屋のドアを叩く音がする。
なんだろう…？

もしかして。
嫌な予感がし、急いで身だしなみを整える間もなく、ドアを開けた。

「どしたの！？」

「あのな、！！花ちゃんが、！いや、状況説明は下でするから！はやく着替えてきて…！！」

…カッターキャーではなく、別の方法で来たのか…？
ボイスレコーダーが役にたてばいいけれど。
身だしなみを急いで整え、こっそりポケットにボイスレコーダーを突っ込んだ。

下に降りれば、ソファーに寝転んでいる花ちゃんと、歌い手のみんながいた。
どこか私を見つめる視線が冷たい。
予想していたことは当たってしまったのか。

「…何が、あったの…？」

「……花ちゃんが刺されたんや、何者かに。」

志麻さんが口を開く。
でも…完全に私が犯人だと思ってる。

やはり…か。
いいよ、夢主みたいに私は今、喋れない状態ではない。決めつけられることもないから。

…ボイスレコーダーを取り出す。

「…私は無実です、これを聞いてもらったらわかる通り、」

ボタンを押して、昨日の様子を伝える。
そして、私が部屋に行き、寝落ちしてボイスレコーダーが切れたことがわかった。
そうだ、昨日、ボイスレコーダーの電源切ってないと思ったら…。

「…わかっていただけましたでしょうか？」

…みんなの顔は安心してたり、まだ疑うような目を向けてたり…様々だった。

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