長髪男子、拾いました。【場地圭介】 (ページ3)

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『ごめんね。』

血塗れの洋服を脱がし、体を清潔にする。
痛そうな傷に顔をしかめてしまう。

何とか手当をして、血塗れの洋服をどうするか悩む。
一応、彼にとって大切な服かもしれないし出来るだけ血痕を落としてあげよう。
もし、いらないと言われたら処分するしかない。

『…お腹空いた。お腹空いてたらアレだし、何か簡単なもの作ろうかな。』

彼には悪いが元カレが置いていった服を着せて、布団を掛ける。
もし、食べるとしたら軽い物の方がいいだろうと思い雑炊を作ることにした。

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圭介side

「…何処だここ。」

俺は確かに、死んだ。

死んだはずなのに、気付いたら知らねぇ部屋にいた。
刺した傷は少し痛い程度に治まってるし、服も変わってるし…

ふと、ベッド横に置いてあるカレンダーが視界に入った。

「2022年…!!?」

2005年じゃないのか!!?
馬鹿でも見間違う事はねぇ。

いや、初歩的な問題はそこじゃねぇ。
もし、もしもだ。

此処が2005年じゃなくて、2022年だとすると俺はどうやって此処まで来たんだよ。
てか、この家一体誰の……

「……いい匂い。」

そういや、まる一日メシ食ってなかったわ。
俺はいい匂いに釣られて部屋を出た。

キッチンにはメシ作ってる女がいた。

ｶﾞﾀｯ

『ﾋﾞｸｯ…あ、気が付いたのね。怪我をしてるけど、起きてきて大丈夫？』

振り向いた女は勿論知らない。
女の方も俺の事を知らねぇ筈だ。

『…大丈夫？』

「うっわ…!!?痛ｯ」

『わわ…！本当に大丈夫…!!?』

気付けば女が目の前にいて俺の顔を覗き込んでいた。
ビックリして後ずさりすると、扉に頭をぶつけた。

「だ、大丈夫だ。……ってか、ここ何処だ？」

『私の家よ。君、路地裏で怪我して倒れてたの見つけて…救急車呼ぶ程の怪我じゃなかったから手当はしたんだけど』

は？路地裏だと…？

俺が最後に記憶あるの廃車場だぞ。
ガチで記憶が混乱してきた。

馬鹿な俺がこんなに頭回して考えるの滅多にねェのに。

「……なぁ、今って2005年じゃねぇのか？」

『え？今は2022年だけど…も、もしかして記憶なかったりする…!!?』

慌ててカレンダーを見る女に何か笑う。

「悪ィ…。メッチャ慌ててるのが面白くて、つい…。」

『ううん…。君が笑ってくれたなら全然構わないよ。』

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