不良=恐怖とは限らない。【男主】

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お昼に食べた給食から何も食べておらず、お腹が鳴る。
時刻は午後6時。
外は帰宅するサラリーマンや学生が出歩いていた。

この時間に小学生が一人でいるのが珍しいのか、色んな人の視線が突き刺さる。

その視線が怖くて路地裏に入った。


『……お腹すいた。』


こんな事になるんだったら、給食沢山食べておけばよかった。
そう後悔していた時、あの人と出会った。


「…何で此処に子供がいる。」

『…。』


急に話しかけられてきた男をジーッと見たが、すっと目を逸らして無視した。


「おーい、お前に聞いてるんだ。」

『……誰。』


その人は金髪で、眉毛が特徴的な厳つい男だった。
外国の人なのか分からないけど、初めて見る金髪の人間に興味津々だった。


「アイリッシュ。」

『変な名前。』


そう答えるとアイリッシュと言う男はガクッと頭を項垂れた。


「お前の名は？」

『…A。』

「そーか、Aか。んで、親はどうした。何故一人でいる。」


アイリッシュの質問に俺は答えられなかった。
親に捨てられたなんて、言ったら俺はどうなるんだろうと不安がかけ巡った。


「…いねｪのか？」


その質問に俺はコクリと頷いた。
アイリッシュは暫く悩むと、「そうだ。」と何か閃いたのか少し大袈裟に手を叩いた。


「俺の子になれよ。」

『…は。』


突然、あり得ない提案に俺は呆気に取られた。
初めて会って、親に捨てられたと言ったら自分の子になれと？


『…なんで。』

「困ってる奴は見捨てられないんでね。」

『…そんな厳つい顔して？』

「ちょいっと痛ｪとこ突くじゃねｪかよ。」


アイリッシュは苦笑いをこぼす。
でも、何故か分からないけどこの人からは愛情を貰えるかもって思ってしまった。

親の愛情を暫く受けていないから初対面でもそう感じてしまうのかもしれないけど。


『…本当に一緒に行っていいの？』

「おー、仲間には俺が説明するからよ。」

『仲間、？』

「おー、まあ怖い奴一杯いるがまともな人もいる…筈だ。」


答えが曖昧なのは気にしない。
アイリッシュがいるなら、別に何処に行こうともどうでもよかった。


「俺の事は"お父さん"と呼べよ。」

『アイリッシュ。』

「"お父さん"！」

『アイリッシュ。』

「"お父さん"！」

『……親父。』


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アイリッシュの口調分かりません。

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