不良=恐怖とは限らない。【男主】

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『後はシェリーが知っての通りだ。』

「アイリッシュ…。僕も会ったこと、あるよ。」


そう言うガキに俺は『良い人だろ？』と尋ねた。


「組織に良い悪いとかあまり関係ないと思うけど…彼は良い人だったよ。」

『まあ、確かにな。それでも、俺にとっては恩人だし親でもある。』


ある日、ジンからアイリッシュが亡くなったと聞いた時はショックを受けた。
スコッチ以上に。ふさぎ込んだし、学校にも行かなかった。

中学に上がると同時にアイリッシュは日本を離れてしまったっきり、会っていなかった。
しつこく、メールが送られてきたり、電話も毎晩のように掛けてきた。

誕生日の日なんかは匿名でプレゼントを沢山贈ってきやがった。

うんざりしていたが、自分は愛されているなと改めて感じる事が出来る日だと思っていた。


『アイリッシュがいなくなってからは、俺が組織にいる意味なんてねｪと思ってた。シェリーのように、逃げ出せば良かったなんて思った事すらある。』

「じゃあｯ…！」

『そう簡単に抜け出せれるか。いいか、ガキ。もうこれ以上、俺に関わるな。』


俺は食べ終わったペ○ングのゴミをレジ袋に詰め込み、さっさと阿笠邸を出た。



✱✱✱


それから任務があるからアジトに来いとジンから言われ、遥々アジトへ赴いた。
普段なら、電話かメールで伝えられる任務だが今回は直接伝えられた。


「ラムからだ。この人物と取引した後…始末しろ。」

『おい！殺しはしねｪと言ったよな!!?』


ジンに詰め寄り、胸倉を掴む。
その瞬間、俺の頭に突きつけられる拳銃。


「お前が誰かに密告しているという報告があった。」

『あ"!!?そんなんデタラメだ!!!誰だそんな嘘の報告した奴は!!!』

「落ち着け、モヒート！」


咄嗟にウォッカが間に入り、止めに入る。


「良いか。奴が生きてたと分かったらお前もあの世行きだ。」


ジンはそう言い残して出て行った。
ウォッカもジンの後を追い掛けて行き、部屋には俺だけが残った。


『…くそっ!!!』


俺は力任せにすぐ近くにあった椅子を蹴り上げた。


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