不良=恐怖とは限らない。【男主】

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俺はキュラソーがいるであろう東都水族館の観覧車に辿り着いた。
表からだとスタッフにバレる。

…だとしたら、裏口だな。

人がいないか確認して"STUFF ONLY"と書かれた扉から侵入した。
そこから、ホイール上に登りキュラソーがいるゴンドラを探した。


『見つけた。』


中にはゴンドラ内で手錠に繋がれたキュラソーと彼女に拳銃を突きつける眼鏡の男。
確か、コイツは公安だった気がする。

俺は静かに天井扉を開け、公安を後ろから襲い気絶させた。


「…モヒート。」

『！記憶、戻ったのか。』

「えぇ、今さっき。」


公安から手錠の鍵を奪い取り、キュラソーを解放させる。
俺は、スマホを取りベルモットへ電話をかけた。


【もしもし？】

『キュラソーと合流した。どうしたらいい。』

【そこで待ってて。後にジンが迎え(・・)に行くわ。】


迎えに？どうやって？
まあ、何か策でもあるのだろう。
キュラソーに後にジンが迎えに来ると伝え、ゴンドラで待っていた。


『……何ソレ。』

「イルカよ。」


キュラソーが手に白いイルカのキーホルダーを持っているのに気がついた。
どうやら、記憶を失った時に出会った小学生達から貰ったそうだ。


『……おい、組織を裏切るような真似はすんなよ。』

「…。」

『知ってるよな？俺がノックも組織を裏切る奴が大嫌いだと。』


少し圧をかけるように低い声で言う。
ラムの腹心であるキュラソーが組織を裏切る事はないだろう。
だが、何故か嫌な感じがしてついそんな事を言っていた。


「……そう。なら、仕方ないわね。」


キュラソーが突如立ち上がり、俺に攻撃を仕掛けてきた。
突然の事に対処しきれなかった俺は尻餅をついてしまった

キュラソーはその隙にゴンドラから抜け出した。


『……そうか、お前はその道を選ぶのか。』


それほど、記憶を失った時のお前が心地よかったのか。
でも、俺はお前を逃すほど心が広い訳でもない。


prrr…


【…なんだ。】

『キュラソーが逃げた。』

【ﾁｯ…お前はそこから出ろ。弾丸の雨を降らせる。】

『……了解。』


俺は電話を切り、即座にゴンドラから抜け出す。
あの作戦はもしも、キュラソーが逃げた時の策だろう。

一般人を巻き込む形になっているが、一般人巻きこむ事は俺達組織の奴は気にしないモットーでいる。
まあ、俺はそのモットーは賛成ではないけどな。


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