さよならホワイト２ (ページ32)

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ありがとう、は嫌いだった

だって

ありがとうの後はいつも

ありがとう、でもごめんね

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それは俺がよく使う言葉だったから

どんなに可愛い子から告白されても付き合わなかったのは、好きな人が居たから

その好きな人にも振られたけど

亜『伝えたかっただけー…

って、いっこの言い訳だよな』

俺に告白してくれる子達はみんなそうやって
去って行ったけど、今ならわかる

恋をして、その人を好きになって

でも同じくらいの愛情は返ってこなくて

自分だけが苦しくなる

俺が恋した人には、別に好きな人がいて

それはもう十二分なほどにわかっていたことで

ほんと、何やってんだろ…

これから俺らの関係はどうなるんだろ

友達？Aにとってのヒーロー？

どんな存在になっても俺は多分、キツイ

とりあえずAは涼太の事故のことが知りたい、と言った

それは俺も知りたかったこと

やっぱりもう関わらなくするなんて俺の方が無理で

あとちょっとだけでいいから、まだ好きでいさせて欲しいと心の中で願った

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クリスマスから数日後

私は年末にかけて仕事のラストスパートに明け暮れていた

亜嵐くんとはあれから、少し減ってしまったけど連絡は取れている状況で

フッた側からすればこれからも友達として仲良くしてくださいなんて図々しいにもほどがある

『小笠原さん、書類のここ、ミスってる』

上司からの指摘を受けて今日も変わらない日常

大晦日はいつも紅白派だから

「アーティストとしての片寄涼太」がいつの日にか見れるのかな、なんて夢見てる

今年ももう終わる

今年も会えなかった

私はいつまでこの生活を続けるんだろう

亜嵐くんが差し出してくれた手は

変わるチャンスだったのだろうか

そんなこと、今更後悔してももう遅い

それに亜嵐くんにも失礼でしょ

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今の涼ちゃんのことが知りたい

それは前に思っていたよりも更に大きくなって
私の中で何かが変わる気がした

会いに行くことにする

私の方から

なんでもっと早く行動しなかったのかと言われればそうだけど、これまでの時間も大切だったんじゃないかな、と肯定したい

このことを亜嵐くんに伝えれば、

良ければ俺も行くよ

と返信が返ってきた